光言社 編集者ブログ

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2014年03月17日

【文章教室5】改行のない文章・改行しすぎの文章

本を読むのが苦手な人は、文字がぎっしり詰まっている紙を見るだけで読む気がなくなるそうです。確かに、1ページに1度も改行がないような本は、見ただけで読みづらい印象を受けます。

少し古い学術書には、そのような本がたくさんありました。理詰めで論文を書こうとするあまり、言葉を詰め込んでしまうのでしょう。なかには、「しかし」や「ところで」など、直前の文章とは違う内容に展開するときに使う接続詞が同じ段落の中に入っている文章を見ることもあります。

「段落なし」は読み手に心理的に大きな負担をかけることになります。意味が変わるときには改行して新たな段落を設ける、これが原則です。

一方、最近多く見られるのが、やたらと改行している本です。1行、2行ですぐに改行。確かに、早く読めるので、読みやすいとは言えるでしょう。でも、物語のような、あまり意味を考えさせないようなものならよいでしょうが、改行が多すぎると、文脈をつかむのが難しくなるという面があるのです。どこも同じような印象を受けるので、何がポイントなのか、わからなくなってしまうのです。

「改行のしすぎ」は、「段落なし」と同じで、意味がわかりにくくなるのです。

ネットのブログなどでは、改行ではなく、空(から)の行を設けています。このブログもそうです。ブログでは、書籍以上に多くの文字が一度に視野に入るので、改行しただけでは文字がぎっしり詰まっている印象を与えてしまうためです。

はがき、手紙、論文、企画書、ブログ、メールなど、文章を書く場面は実にさまざまです。どのように書くかによって印象が全く違ってきますので、読む人の受ける印象も考慮して書き方を工夫するようにしましょう。

(徳)

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