「私は見舞いに行きます」
「私が見舞いに行きます」
「私は見舞いに行きます」は、私のことだけを言っていますが、「私が見舞いに行きます」は、「他にも人がいるけれども、私が行く」という意味になります。「は」と「が」、たった一字違うだけですが、意味合いが変わってくるのです。
「私も見舞いに行きます」は、少なくとも二人以上が見舞いに行くことになります。
外国人が日本語を学習するとき、似ているけれども、ニュアンスの違いの出る助詞の使い方が特にむずかしいと言います。
「学校に行く」と「学校へ行く」。どちらも同じようですが、違った印象を受けます。「学校に行く」と言えば、学校に行って勉強するというニュアンスが含まれます。一方、「学校へ行く」は、学校という施設、建物へ行くだけのような印象を受けます。
「実家に帰る」と「実家へ帰る」はどうでしょう。
「実家に帰る」と言われると、もう戻って来ないのではないかと心配になりますね。「実家へ帰る」のほうは、一時的に実家へ帰るけれども、すぐに戻って来そうです。
とにかく、たった一字でも意味が変わることがあるのです。よく注意して、ふさわしい言葉を選ぶようにしましょう。
ところで、こんなことを言う人がいました。
「基元節があと300日しかありません」
いかがですか? どこかおかしいですね。「基元節」なので気がつかない方がいらっしゃるかもしれませんが、八大名節の一つに置き換えてみれば、わかりますね。「基元節まであと300日しかありません」と言うべきなのです。言い間違いなのでしょうが、気をつけたいものです。
(徳)