『祝福家庭』93号が、まもなく入荷です。今回の「生活信仰のすすめ」(内田由喜先生)コーナーは、万物主管・「食」についてです。「相手を思って作るのが『料理』であり、相手が分からずに作り、売られているのが『食品』です」とのことから、手作りの料理が家族に与える良い影響について教えてくれます。
夫(父)である私も、時には妻のピンチヒッターとして、台所に立つことがあります。それ以外にも、5月には毎年恒例で私の作る料理がありました。
「若筍のさしみ」です。職場の近所にあった八百屋ですが、5月になると必ず筍を大量に仕入れる店があるのです。季節のものなので、店頭に出る時期は限られています。
帰宅後、大きな鍋に竹皮のついたままの若筍と米ぬか、水をいっぱいに入れ、ゆでました。その際、若筍は穂先を切り落とし、真ん中に包丁で切れ目を入れておきます。沸騰すると茶色い泡がふきこぼれそうになるので、弱火にして1時間煮込みます。次に火を止め、朝までそのままにしておきます。夜中に、若筍のアクが抜けていくのです。
翌朝、湯を捨て、若筍の皮をむいて水洗いしたあと、冷蔵庫で冷やしました。夕飯時に斜め切りにして、わさび醤油でいただきます。柔らかいが歯ごたえのある、独特の食感にわさび醤油がよく合います。
今年は、この楽しみがなくなりました。八百屋が昨年のうちに店をたたんでしまったのです。スーパーマーケットの若筍は、小さいサイズでも値段が高くて手が出ません。
6月、職場の近所にある枇杷(びわ)の実が気になりました。日ごと実の色が黄色からオレンジ色に変わるさまを見ているうちに、手に入れたくなりました。木の持ち主に話し、25個ほど分けてもらいました。収穫に使用した道具は、子供の頃、庭の柿の実を取る時に製作したものを思い出し、自作しました。
ネット上には、びわの実のコンポートのレシピがたくさんあり、それらを参考にして調理しました。妻は、「さわやかな甘さがとてもいい」と言ってくれました。
びわの実のコンポート作りは、収穫から調理までわくわくした気持ちで臨むことができ、年が若返るような感じがしました。「食育」は、意外と自分にも良いようです。 (F)