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2014年06月13日

【韓国昔話38】先生を外に出した話

【韓国昔話38】先生を外に出した話

昔、昔、書堂で勉強を教えていた先生が、子供たちを呼んで言いました。

「おまえたち、私をこの部屋から出したら、おまえたちにほうびをやろう。その代わり、私が自分から進んで部屋の外に出るようにしなければならないよ」

「ほんとうですか、先生?」

子供たちはよろこびの声をあげました。そして、どうやって先生を外に出そうかと、あれこれ作戦をねりました。

しばらくして、一人の子供が大きな声で先生に言いました。

「先生! 外に先生のお友達がいらっしゃいました」

先生は、わざと、とぼけて答えました。

「それでは、そのかたを部屋の中にお通ししなさい」

次の子供が、また大声で言いました。

「先生! 書堂が火事になりました。早く逃げてください!」

先生は答えました。

「なに、あわてることはない」

また次の子供が大声で言いました。

「先生! 空からお金が雨のようにふってきました」

「それでは、すぐにひろってお母さんにもっていってさしあげなさい」

先生は、落ち着いた声で答えました。

書堂の子供たちが何を言っても、先生は部屋から一歩も出ませんでした。

しばらくして、一人の子供が先生に言いました。

「先生、先生を外にお出しすることは無理なようです。しかし、外にいらっしゃる先生を部屋の中にお入れすることはできます」

「そうか。それでは、私を部屋の中に入れてみなさい!」

先生は、立ち上がって部屋の外に出てきました。

すると、その子供がにっこり笑って言いました。

「先生! 部屋の外に出てこられましたね!」

そう言われて初めて先生は、子供の作戦にひっかかったことに気づきました。そして、書堂の子供たち全員にほうびをあげたそうです。

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