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2014年03月27日

【文章教室8】奇妙な気分にさせる「翻訳調」2

前回は英語の「翻訳調」の問題について紹介しましたが、私たちに身近な韓国語でも同じようなことがあります。

日本語と韓国語は、とても似ています。漢字を使う、助詞を使う、語順が同じ、……これほど日本語に似ている言語は他にないでしょう。そのため、日本人が最も習得しやすい外国語といわれています。

でも、やはり生活習慣が異なりますから、言語の使い方にも違いがあります。そのまま訳すと奇妙な感じになることがあるのです。

典型的なのが、敬語の使い方の違いです。

韓国では、身内の人であっても、年長者や役職が上の人には敬語を使います。

「私の会社の○○部長様が、よろしくとおっしゃっていました」

こんなことを言ったら、「敬語の使い方を知らない人間だな」と思われてしまうことでしょう。

「弊社の○○部長が、よろしくと申しておりました」

と言うべきでしょう。

もし、この言葉のとおりに韓国語で言ったとしたら、「目上の人を尊敬しない、無礼な人間だな」と思われることでしょう。

韓国では、父母にも敬語を使います。家族であろうと身内の者であろうと、尊敬すべき人には敬語を使うのです。

外国の言葉をその国のどおりに翻訳すると、奇妙な感じになることがあるのです。

韓国語の日本語と違う例としては、「손자 손녀」という言葉もあります。「손자」は「(男の)孫」、「손녀」は「(女の)孫」です。では、「손자 손녀」を、もし「男孫、孫女(孫娘)」としたら、日本語としてはとても奇妙な印象を受けます。そういう言い方を、日本人はしないからです。「손자 손녀」はただ「孫」としたほうが、日本語としてはすっきりします。

外国語をの言い回しをそのまま使う「翻訳調」は、やはり避けるべきなのです。

「こういう言い方は、日本語としてどうか」、「すっきりした他の言い方はできないか」と、見直す余裕を持ちたいものです。

(徳)

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