文章の書き方といえば、「起承転結」を思い浮かべる方が多いでしょう。学校で文章構成の基本として学習するからです。新聞などに掲載される4コマまんがは、これで構成されています。
「起」は導入。「承」は「起」を受けて話題をさらに進めます。「転」はそれまでの「起」、「承」から展開を変えて、読み手に驚きや興味を持たせます。「結」はむすび、結論で、全体をまとめます。4コマまんがのオチで、思わずクスッと笑わせるところです。
学校でこの「起承転結」が文章構成の基本、手本のように教えられることから、文章を書くときにこのかたちにしようとする人がいます。でも、これはもともと4行から成る漢詩の「絶句」の構成で、とても情緒的なものです。適しているものと、適さないものがあります。
論理的に書くのには「起承転結」は向いていません。レポートや入社試験などで出題される小論文などは、自分の考え、意見を述べ、それを理解させること、説得することが目的です。そういうものに「起承転結」の「転」のような要素は不要で、「序論、本論、結論」が基本です。
まず、何を言いたいのかが明確でなければなりません。そのためには「序論」の部分で、文章全体で何を言いたいのかを端的に明示します。「本論」でその理由などを具体例を挙げながら説明します。そして最後に「結論」を述べるのです。
レポート、報告、提案など、文書を書く場面はいろいろです。それぞれに合った構成を選んで書くようにしましょう。
(徳)