光言社 編集者ブログ

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2022年09月20日

漂流する令和・日本丸

 週刊誌やテレビのワイドショーでは、鵜の目鷹の目で、家庭連合バッシングが続けられています。1992年にも同様の騒動がありましたが、ここまではひどくありませんでした。

 メディアの魔女狩り的な報道を闇雲に追認し、政治家への調査と、家庭連合との一切の関わりを禁じるという、まるで江戸時代のキリシタンに対する踏み絵のような宗教弾圧が、現代の日本社会で起こるとは思ってもみませんでした。政治家が世間の風聞を根拠にして行動する稀有(けう)な例を、今、私たちは目撃しています。

 1994年、「自社さ連立政権」のとき、当時の村山富市総理大臣は、第129回国会(参議院)において、北村哲男議員の質問主意書を受け、同院議長に答弁書を提出しています。

・北村議員の質問「『霊感商法』や元信者らの訴訟が行われていることから、『統一協会』は明らかに反社会的な団体であると考えられるが、政府としてはどう判断するのか」。
・村山総理の答弁書の一部「宗教法人『世界基督教統一神霊協会』(以下『統一協会』という。)に関係して、御質問にあるような訴訟が提起されていることは、報道等により承知している。しかしながら、政府としては、一般的に、特定の宗教団体が反社会的な団体であるかどうかについて判断する立場にないと考える」(「参議院」サイトより)

 これは人権に配慮された、連立政権らしいバランスのとれた答弁書です。村山総理は、「政治と宗教」の関係をよく理解されているのだと思います。

 また、宗教団体における献金・寄付などについて、国会での過去の質疑には次のようなものがあります。

 1988年の第113回国会(衆議院)において大橋敏雄議員が提出した、家庭連合ではない、ある宗教団体の運営等に関する質問主意書の一部です。

・「(当該団体の)寄付金集めは、近年過激なものとなっている。『信心の歓喜と感謝の思いをこめた財務』、『財務は御供養の精神に通じる』等々と煽(あお)り、毎年巨額の寄付金を集めているが、これらはいわば寄付の強要ではないかとの声があがっている。こうした寄付金集めの実態は、寄付をめぐって夫婦の意見が対立し、遂に別居や離婚という家庭崩壊現象が起こったり、また生活保護世帯や老齢者、身体障害者等の会員の中には生活苦に陥り、あるいは公営住宅でささやかな生活をしていた人が夜逃げしたなどという例もある。
 過激で過大な寄付金集めは、前述のような反社会的な事例を発生させているが、こうした寄付金集めは公序良俗に反し、宗教団体の目的を著しく逸脱した行為であり、宗教法人法第八十一条第一項第二号に該当するものと思うがどうか」(「衆議院」サイトより)

 同、竹下登総理大臣の答弁書の一部です。
・「信者による寄附金の拠出は、信者の信仰にかかわるものである限り、宗教法人が自主的に決定する問題であると考える」(同)

 同答弁書において竹下総理はさらに、日本の総理大臣としての宗教に対する基本的な立場を示しています。法人自体の規則にのっとり、責任役員および代表役員により管理運営されているのであれば、法人の解散を請求することはないと、宗教法人法の「宗教活動の自由を尊重する」趣旨から明確に説明しているのです。

 これまでの国会における総理大臣の答弁が、まるでなかったことのようにされてしまっている昨今、日本はこれからどこに向かって進もうとしているのかと、考え込んでしまうのです。(F)

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