先日テレビのニュース番組で、Z(ゼット)世代の話題を取り上げていました。これは1990年代後半から2000年代前半に生まれた若者たちのことで、今の時点で言うと10代後半から20代中盤までの世代を指す言葉(諸説あり)です。
一般的には、子供の頃からネット環境に親しみ、多様性を認め本質的なことを重視し、手堅く現実的な思考をする傾向があると、その彼らの行動様式から理解されているようです。
このとき私が「ゼータ世代とも読めるよね」とつぶやいたところ、そばにいた息子(20歳)が敏感に反応したのです。「この世代は、カミーユ・ビダンのような、繊細で直感的に行動する人が多いから、ゼータ世代という呼び方のほうが合っているかもね。ネット上のアニメおたくたちの中にも、わざとゼータ世代という言葉の使い方をしている人もいたよ」。
息子が言うカミーユとは、アニメ「機動戦士ガンダムZ(ゼータ)」に、主人公として弱冠17歳で登場するパイロットです。作品の中では、感受性が強く、ニュータイプと呼ばれる特殊な能力者者同士や、戦死した乗組員たちの魂と敵味方の区別なく共鳴できる、私たちの理解を超えた人物像が描かれています。
この件に関しては、息子と私の考えは一致しているようです。カミーユのような特殊能力はなかったとしても、それに似た感性を持つ若者がZ世代に多いとすれば、この世代の若者とはコミュニケーションがさぞ取りづらいだろうなと思います。大人たちにとっては、少々厄介な世代だとも言えるかもしれません。
世の中には、この世代のことを分析した書籍が、いくつか出版されています。いずれも表層的な彼らの行動様式を根拠に心理分析をしていますが、私はどちらかというと、内面的なものに注目したいと思います。カミーユは架空の人物ですが、この世代を象徴する人物像としてイメージすることで、彼らの心を知る手がかりになりそうなのです。
これからの日本の社会でも、「Z世代のトリセツ」を必要とする場面が多くなるでしょう。この話、アニメおたく以外の人には、全く意味不明かもしれませんが。
「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」で、全長18メートルの
動くガンダムを撮影しました。2021.12.25 ©創通・サンライズ
間近で見た等身大のガンダムは、未体験の迫力でした。©創通・サンライズ
(F)