韓国では親子が離れることができません。韓国ではよく、“애증관계(愛憎関係)”という言葉を聞きます。どんなに憎くても愛があって離れられないのです。
日本に帰ってきてびっくりしたことは、親子関係がぷつっと切れてしまいそうな、そんな家庭があることでした。特に、子供たちが親を嫌う感情を見ると恐ろしいです。「愛しているけど憎い」ではなく、本当にただ嫌っているように感じます。
韓国でよく使われる言葉に、“눈에서 꿀 떨어지다(目から蜜が落ちる)”というものがあります。愛する人を見詰めるとき、目から愛があふれてとろっと甘く溶けてしまうことを言います。
韓国の祖父母の家に久しぶりに遊びに行ったときのことです。
居間に通され、祖父の長いお話が始まると、祖母が切った梨を持って私の隣に座りました。私は視線を感じるので、ちらっと横を見ました。
祖母は、シワシワの目をもっと小さくして、うれしそうにじっーと私を見詰め、手を取ると大事そうにさすりました。それから、祖父の話が続く間、飽きもせずに私を見詰めて、にこにこしていました。祖母の目から蜜がぽたぽたと落ちていました。
真のお父様が真のお母様を見詰めておられる映像を見ると、本当にたくさん目から蜜が落ちているのが分かると思います。そんな目で見詰められると、自分が愛されているということを1ミリも疑えません。どんなに憎らしくても、その愛の味を知ってしまうと手離せなくなるのです。
もちろん、韓国にりっぱな家庭ばかりがあるわけではありませんが、この蜜の流れる文化は本当に誇らしいものだと思います。私が日本に広く伝えたいと思う文化です。
玉