7月初めの休日の朝。
自宅2階のベランダで洗濯物を干していたら、やたらに蜂がブンブン飛んでいるのに気がつきました。見上げると、ベランダの屋根の内側に蜂の巣を発見!
蓮の実のような形をしたその巣は、直径10センチくらいと小さいのですが、5〜6匹の蜂がぶらさがっていて、さらに2〜3匹が周りを飛び回っています。
恐る恐る見てみると、黄色の縞模様が何ともスズメバチっぽいのです。
いったん部屋の中に待避し、思い切って業者に駆除を頼むことしました。
駆けつけてくれた業者さん、ベランダの蜂を見て、
「これはセグロアシナガバチですね」
スズメバチではないことに幾分ほっとしながら、部屋の中から網戸越しに見物していると、業者さん、巣に強力そうな殺虫剤を何回か吹きつけ、蜂たちを一網打尽に。落ちてきた哀れな蜂の亡骸をつつきながら、「これが女王蜂ですね。これは働き蜂」と教えてくれました。
こんな小さな巣にもりっぱな社会があるんだなあと感心しているうちに、業者さん、無人(無蜂?)になった巣を容赦なく棒でたたき落としました。
これで駆除終了……と思いきや、
「餌を取りに出掛けている蜂がいるかもしれないから」ということで、しばらくようすを見ることになりました。
働き蜂の帰還を待ちながら、網戸を挟んで業者さんとしばし蜂談義。
「餌って何ですか」
「小さい虫なんかですね。だから、農作物にとっては益虫でもあるんですよ」
(意外にいい奴かも)
「昨日は巣に、全く気づかなかったんですが」
「これくらいの大きさだったら、あっという間にできちゃうんですよ」
(働き者なんだね)
「住宅街でも巣を作るんですね」
「軒下とか雨戸の戸袋なんかにも作りますよ。雨戸を長いこと使わないで、台風のときに久しぶりに出そうとしたら、蜂がワーッと飛び出してきたなんてことも、よくあるんです」
(雨戸は面倒くさがらず、こまめに開け閉めしなさいってことね)
「刺されるとどうなるんですか」
「スズメバチほど攻撃的ではないですが、毒性はけっこう強くて、刺されるとスズメバチより痛いって言われてますよ」
(セグロアシナガバチ、侮れず……)
こんな話をしながら15分ほどたった頃、働き蜂が数匹戻ってきました。ウロウロと巣を探しているその子たちに罪はないのですが、シュッとやっつけてもらい、ようやく駆除が完了しました。
『祝福家庭』89号(2018年夏季号)に、「『万物を愛する』に関する御言」が掲載されています。
そこには、万物は、「ために生きる愛をもった息子、娘」のために、「贈り物として神様が下さった展示品」「一羽の鳥も、一株の草も、愛の息子、娘たちの生活を美化するために造られた装飾品」であり、「無味乾燥で単調であってはいけないので、造化無双な和合の園」として神様がおつくりになった、とあります。(天一国経典『天聖経』六・三・四・3参照)
このように、全ての万物は人間の喜びのために与えられたものですが、現実的には、今回のように共存が難しいこともあります。その背後には、気候変動や環境汚染など、さまざまな要因もあると思います。
獰猛で攻撃的なスズメバチの性質や、温厚でせっせと蜜を集めるミツバチの性質は、本然の世界においても変わらないでしょう。
そんな個性豊かな万物たちと楽しく、かつ麗しく共存するために、み言にもあるように、「ために生きる愛」で万物を主管できる人間になりたいものです。晶