映画「スターウォーズ」は皆さんご存知でしょう。
目に見えない悪の勢力と、平和と正義の守護者「ジェダイ(騎士)」
との戦いの物語です。
聖書の内容とイメージが重なるところが多い作品ですね。
その中に流れるあの壮大なテーマ音楽。
私の映画音楽に対する意識を一変させた衝撃的な映画でした。
それまでの映画やテレビ番組は「勧善懲悪」が一般的で、
正義の味方がカッコよく、
悪者はカッコ悪く描かれていました。
ところがスターウォーズでは、悪者のダースベーダーが
すごくかっこよく登場するではありませんか。
そのダースベーダーのテーマ曲がまたカッコいい。
この音楽のおかげで私も、
映画「スターウォーズ」の虜になってしまいました。
それにしても、悪役のテーマ曲なのに、
なぜこんなにかっこいいんだろう。
それについて私は疑問を抱いていました。
疑問が解けたのは、
「音楽の魔法」というものが分かったからです。
ダースベーダーの登場シーンの曲「帝国のマーチ」は短調。
短調なのにカッコよく聞こえてしまう。
なぜでしょうか?
音楽には「短調」と「長調」とがあります。
短調の曲は暗くて物悲しく、
長調の曲は明るくて前向きな雰囲気を作り出します。
と、音楽の授業では習いましたね。
ところが、
短調で作られた勇ましい曲の場合、悲壮感がありながらも
決断力とか、困難を乗り越え物事に真剣に取り組み推進させる、
などのイメージを感じさせる特徴があるのです。
短調の曲って暗いイメージがありますが、
意外と特撮番組やアニメ番組のヒーローものに多いのです。
子供の頃に見た、
仮面ライダー、サイボーグ009、キャプテンウルトラ、マジンガーZ。
これらのオープニング音楽はみな「短調」です。
短調は正義感も表現できるのですね。
ところで私は、
この人は「音楽の魔術師」だ、と思っている人物がいます。
作曲家ジョン・ウィリアムズです。
まさに「スターウォーズ」を始め多くの映画音楽を作曲しています。
彼の映画音楽は素晴らしいの一言に尽きます。
ジョン・ウィリアムズ作曲の「『スターウォーズ組曲』メイン・タイトル」は、
映画が始まったらいきなり、オーケストラの大音響がドーンと迫ってきます。
これに私はびっくりしたものです。
そして主人公や脇役、様々なシーンそれぞれに、
使われる音楽が決まっています。
音楽が流れ出すと何のシーンなのかがすぐに分かるのです。
そんなところにも魅了されました。
映像よりも音楽の方が、
その場面の雰囲気を瞬間的に作ってしまう特徴があります。
ある曲を聴くと、それに関連した記憶を思い出した。
という経験は多くの人がおもちでしょう。
「音」は「言葉」よりも記憶に残りやすいのですね。
私の仕事、映像制作では「音」がとても大切な要素です。
映画やテレビドラマ、CMからは映像編集に必要な音響効果などを
たくさん学びました。
私は音楽理論についてはほとんど分かりません。
でも流れてきた音楽が楽しいか悲しいかは瞬時にわかります。
おそらく、みなさんもそうでしょう。
人間って不思議ですよね。
音楽理論は知らなくても、
人間は音楽から「喜怒哀楽」を感じるようになっています。
神様が人間をそのように創造されたとしか説明しようがないのです。
気分が落ち込んでいるときは短調の音楽になぐさめられます。
嬉しいときは長調の音楽で思いっきり楽しめます。
音楽は神様からの贈り物です。
音楽を人間に与えてくださった神様に感謝します。