光言社 編集者ブログ

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2019年03月15日

〝心に残る一言〟を語れる父親になりたい

 先日、『祝福家庭』92号の制作が一段落しました。「理想家庭を目指して」(二世の証し)で印象に残った一文を紹介します。

 「父は本当に不思議な人です。自らの過去を語ろうとはせず、日常生活での接点もほとんどありませんでしたが、私の人生の節目で大きな影響を与える『一言』を残しているのです」
 
 証しの編集を担当してこのフレーズに触れたとき、自らの子供との接し方を振り返させられました。

 私は子供たち(一男、二女)に対して、「お父さんはこれまで、こうやって努力してきた。だから、あなたもできるはずだ」と、繰り返し言ってきたことに気づきました。そして、子供たちができていないことを見つけては、あれこれ〝小言〟を並べていた姿が目に浮かんだのです。

 私は、〝親の理想〟を子供に押しつけていたことを反省しました。

 息子(中1)は、親からあれこれ言われるのが嫌で、学校から帰ると部屋にこもります。食事を取りに来るのと、トイレに行く以外は、ほぼ部屋にいます。

 親子の会話はこんな調子です。

 「学校どうだった?」「ふつう」
 「何か楽しいことあった?」「別に」
 「ごはんできたよ」「あとで」…。
 
 一方、部屋で学校の友達とオンラインゲームをしている息子は、家中に響きわたるぐらい大声で笑い、本当に楽しそうです。
 
 私は、息子の考えや思いを少しでも聞いてみたいと思い、ある日、息子と一緒に食べるためのチョコレートを買って帰りました。妻や娘たちが寝たあと、息子とチョコレートを食べながら、一言、二言、話すようにしたのです。

 時には、全く話さないこともありましたが、時間と空間を共有できているだけで、うれしく感じました。

 ところがある日、長女(小5)が、パソコンを置いた机の引き出しに入れてあったチョコレートを見つけました。そして、「なんでこんなところにチョコレートがあるの!」「お父さん、一人で食べてるの!」と追及するのです。

 私が、「お兄ちゃんとコミュニケーションするために買ったんだよ」と答えると、長女は、「私も思春期(反抗期)を迎えたら、こうしてもらえるんだ」と言うのです。

 本当に驚き、娘に無視される自分の姿が思い浮かびました。

 親子がお互いに成長するために必要な期間として、天から与えられる思春期。反発されながらも子供たちに寄り添い、〝心に残る一言〟を語ってあげられる父親になりたいものです。

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