2024.10.14 22:00
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櫻井義秀・中西尋子著『統一教会』への反論本を出版へ
ナビゲーター:魚谷 俊輔
櫻井義秀氏と中西尋子氏の共著である『統一教会 日本宣教の戦略と韓日祝福』(北海道大学出版会、2010年)に反論するため、私が個人ブログで、「書評:櫻井義秀・中西尋子著『統一教会』」というシリーズを長期連載したことは、このシリーズの33回ですでに述べた。
個人ブログにおける私の反論は、2016年3月16日から2020年8月26日まで4年以上の歳月を費やして書き続け、207回をもって一度完結した。
しかし今年の9月18日からこの書評シリーズを再開し、合計で211回になった。
なぜ今になって再開したかといえば、櫻井氏の書籍が再版された際に、「まえがき」が加筆されているからである。
櫻井氏の著作の初版は2010年2月に刊行されているが、3年後の2013年に第三刷が、そして安倍元首相銃撃事件の後に第四刷が刊行されている。
特に2022年に櫻井氏が第四刷を刊行したのは、安倍元首相銃撃事件の後であり、重要な内容が含まれているため、その部分に対する検証も必要であると考え、この書評シリーズを再開したのである。
「第三刷にあたって」では、櫻井氏は「書籍の反響」について語っている。
「本書は一般書店におかれることもあまりないA5判650頁に及ぶ学術書であり、市民の目に触れる機会もそれほどないと思われるが、1500部を超えて読まれていること自体、統一教会が日本社会に与えた影響の深刻さを示しているのではないかと思われる」と、何やら自画自賛めいたことを語っているが、確かに学術書としては、1500部は売れた方であろう。
しかしこれは、純粋な学術書であることが前提の数字だ。
櫻井氏の著作は、イデオロギー的でプロパガンダ的な要素を多く含んだ「統一教会反対本」という性格を持っており、その筋のマーケットに売れているのである。
実は、その「まえがき」に注目するようになったきっかけを作った、より重大な出来事があった。
それは、これまでブログで発表してきたこの書評シリーズの全文を書籍として発行しようという計画が持ち上がったということだ。
このシリーズはもともと207回と非常に長く、文字数だけで80万字を超える。
それを一冊の書籍として発刊するのは大仕事であり、そんなに長い本を多くの人が買って読むとも思えないので、当然コスパは悪くなる。
それでも櫻井氏の書籍は日本では最も権威ある家庭連合に関する学術的研究という位置付けになってしまっているので、それに対してきちんとした反論を出版しておく必要があるとの声があり、書籍化に取り組むことにした。
乞うご期待!
【関連情報】
◆書評:櫻井義秀・中西尋子著『統一教会』211