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facts_3分で社会を読み解く 38
CESNUR2024におけるマッシモ・イントロヴィニエ氏の発言

ナビゲーター:魚谷 俊輔

 6月12日から15日にかけて、フランス西部ボルドーで行われたCESNUR(新宗教研究センター)2024国際会議における七つのプレゼンの内容をシリーズで紹介する。
 第1回は、CESNURの創設者であるマッシモ・イントロヴィニエ氏のスピーチである。

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 日本の元首相である安倍晋三氏が202278日、奈良で山上徹也という男に殺害されたことはご存じだと思います。
 山上は警察に対し、安倍元首相が統一教会(家庭連合)に友好的であったことを罰したかったと話しました。

 山上の母親は1998年に統一教会に入会し、現在も会員であり、統一教会への多額の献金が原因で2002年に自己破産したといわれています。
 しかし、誰も質問しなかったのは、その時間的なギャップについてです。

 山上の母親は2002年に自己破産し、山上は20年後の2022年に安倍元首相を殺しました。
 山上は反カルトのオンラインフォーラムに積極的に参加していましたが、それが彼を行動に駆り立てたのかもしれません。

 山上は文鮮明(ムン・ソンミョン)師の夫人も殺害しようとしたので、この事件において教会は明らかに被害者だったのです。
 しかし反カルト団体は、事件の主犯は統一教会であると見せかけることに成功しました。

 想定されたことですが、「背教者」である元信者が次々に名乗り出ました。
 「背教者」という言葉は侮辱ではなく、自分が離脱したグループに対して激しく反対する元信者を指しています。しかし彼らは元信者の中では少数派に過ぎません。

 「小川さゆり」という女性が登場し、日本にもフランスの反カルト法のような法律があったらよいと言いました。
 そして1年ほどで解散命令請求が東京地裁に提出されることとなりました。

 さらに反カルト団体は政府を説得し、物議を醸している団体への献金を制限する法律を可決成立させました。献金への対策は、明らかに霊感商法をターゲットにしています。

 霊感商法は、統一教会の信者が開運商品を高額で販売したことを非難するために1987年に反カルト団体が生み出した言葉です。
 しかし重要な点は、2009年に日本の統一教会が「コンプライアンス宣言」を行って以降は、問題が解決されているということです。

 現在、統一教会の信者やその関連団体に対してヘイトクライムや差別が急増しています。エホバの証人に対する差別や暴力も急増しました。

 私は、日本の裁判所が下す結論について楽観視していません。
 なぜなら過去の記録を見れば、裁判所は90%以上政府に有利な判断をしてきたからです。
 従って、われわれの行くべき道はこの問題を国際化することだと考えています。

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