光言社で働き始めて数年がたちますが、最近ひとり暮らしを始めました。
留学したこともあり親元を離れて暮らすのは初めてではないのですが、留学中は基本的に四人一部屋だったので、“完全に一人”で暮らすのは初めてです。六人家族一つ屋根の下でにぎやかに暮らしてきた身としては、一人きりの静かな空間に寂しさを感じることもしばしば。
そんな寂しいひとり暮らしの中で、さらに寂しさが加速する時があります。それが、あいさつをする時です。
これまでは、「おはよう」と言えば「おはよう」と返ってきて、「いってきます」と出かける時は「いってらっしゃい」と送り出され、「ただいま」と家に帰れば「おかえり」と迎えられ、一日の終わりは「おやすみ」と声をかけ合う、これが普通でした。しかしひとり暮らしをすると、家の中にこれを言い合う人がいないのです。
「おはよー」「いってきまーす」「ただいまー」「おやすみー」
実家にいた時から誰もいなくても声に出すようにしているのですが、何を言っても返事はありません。当たり前ですね。しかしこれが本当に寂しく、あいさつをし合える存在のありがたさを日々痛感しています。
最近は、誰でもいいから返事してくれ!という思いを抱えながら、虚空に向かって一人であいさつをしています(実際に返ってきたら恐怖ですが)。
家族であれ友人であれ、言葉をかけ合える存在は本当に貴重ですね。そのことをかみ締めながら、これからのひとり暮らしが楽しいものになるように願いたいと思います。