2019年12月12日の編集者ブログで、35年ぶりに私が稽古を再開した「弓道」の話題を紹介しました。
「初心者教室」が終わり、現在は的の前で矢を放てるようになるための「補講」に参加しています。12月21日の稽古では、指導を受けている先生より、次のような訓示がありました。
「弓道は精神の修養のために行うものですが、最終的にその目標としているところは、『人間完成』です」。想定外の先生の言葉でしたが、思わず大きくうなずきながら聞いていました。
場所を選ばず稽古ができる「ゴム弓」。市販のものは
ゴムが弱いため、やむをえず自分で製作しました
年が明けて1月4日、角帯を締め、袴(はかま)を身に付けて年初の稽古に臨むと、28m先にある的の前に立ち矢を放つ許可が出ました。的前に立つのは35年ぶり。ひどく遠くにあるような感じを受けました。
私は今、道場にある弓力約10kgの弓を使用しています。それは、弓力としては比較的弱い弓になり、矢が大きな放物線を描いて飛んでいきます。先生いわく、「弱い弓で的にあたったとしても、それはまぐれあたりです」。
弓力が強いと、描く放物線も小さく抑えられ、矢がまっすぐに飛びます。矢が的にあたる「的中率」が、グッと跳ね上がるのです。
自宅にある弓の「弓力」は約16kg、今の自分の実力ではとても強すぎて、体の姿勢が崩れてしまいます。やむをえず道場の弓を借り、稽古しているのです。今年はその中間で、弓力13kg位の弓が使いこなせるよう、稽古に励みたいと思います。
人間完成への道程は、まだ始まったばかりです。(F)