今年も、私の所属する教会では、教会学校の小学校6年生を対象とした「卒業発表プログラム」が始まりました。私はそのプログラムのインストラクターを務めています。
「卒業発表プログラム」は、子供たちが自らの将来についてじっくりと考え(調べ)、言葉にし(原稿を用意し)、発表(宣布)する機会を提供するという取り組みです。
同プログラムは、12歳から13歳、小学校生活を終えて中学生となっていくその大切な成長の節目に、主体的信仰を育むために教会学校としてサポートしようという目的で行っています。
ユダヤ教徒の成人式は男子が13歳、女子は12歳で迎えます。ここでの「成人」の意味は、ユダヤ教の戒律を守ることができる年齢に達したということだそうです。神の前に戒律を守る、すなわち、許されることと許されないことを認識し、自分の行動に責任を持てる年齢に達したという意味での「成人」なのです。
成人とは「人に成る」こと。人は成長してしっかりと自分の足で立てるようになっていかなければなりません。自立する、ということですね。そのような意味で、「成人式」は人生の大事なマイルストーン(里程標)の一つだといえます。
一言で「自立」といっても、健康的自立、経済的自立、精神的自立、社会的自立など、さまざまな自立の内容があります。
私たちにとっては、二世たちの信仰面における自立、主体的な信仰心を育むことが重要な課題の一つとなっています。
最初の韓国留学生となった日本の祝福二世たち(中学生)に対して、真のお父様は、「13歳の再自覚」ということについて語られ、12、13歳の頃から自ら祈る姿勢、自ら神を求める姿勢を持つことの重要性を強調されたそうです。
卒業発表プログラムでは、年間を通して以下のような学習を積み重ねていきます。
【5月】
「卒業発表」の目的と意義を、親と子が一緒に共有します。夢と志を持って生きることの大切さを学びます。
【6月】
感想文の書き方を学んだ上で、文鮮明先生の自叙伝の感想文を書いてもらいます。自叙伝の感想を皆で共有しながら、真の父母様について学びます。
【7月】
物事の調べ方、話の聞き方、インタビューの仕方を学びます。親へのインタビュー(夏休みの課題)の準備を行います。
【8月】
夏休みの間に父母や家族を対象にインタビュー(家族のこと、信仰のこと、将来のことなどについて)をします。
【9~10月】
文章の書き方、原稿の書き方を学びます。そして各自の卒業発表のテーマを決めていきます。スピーチの共通の題目(テーマ)は「神様の夢は私(僕)の夢」、サブタイトルは各自で決めます。テーマを中心に、1学期と夏休みを通して集めた材料を整理し、構成を考えます。
【11~12月】
スピーチ原稿の作成に取り組みます。個別の添削指導も行います。
【1~2月】
話し方、表現の仕方、伝え方を学びます。スピーチ原稿の推敲とともにスピーチの練習を繰り返します。
【3月】
卒業発表本番。
【4月】
そして中学生に・・・。
夢を描く―、どんな人になりたいのか。志を立てる―、どんな生き方をしたいのか。
子供たちは、1年を通して、自ら考え、自ら表現し、発信していく12歳になっていきます。
もちろん、おのおのの好き嫌いや得意・不得意もありますし、能力面での個人差もあります。しかし一人一人の成長を見つめれば、12歳の一年を通して、輝く個性と、たくさんの可能性を見いだすことができます。
このような取り組みを通して、彼らの自己肯定感を高め、主体的な信仰心を育むことに少しでもお役に立てられればと思っています。