光言社の印刷物に掲載されているイラストには、実にさまざまなものがあります。現在は、パソコンで制作されたものが多いようです。
『祝福家庭』誌に連載中の「子女教育奮闘記」の場合は、近頃には珍しく、手描きのタッチを生かしたイラストを掲載しています。保育士や園児など、顔の表情に独特なものが感じられ、素朴で不思議な味わいがあります。これは、著者の村上小夜子先生の作品です。原稿が仕上がってから、内容に合わせてイラストを制作されています。
これまで、多くのイラストレーターに仕事を依頼してきました。イラストは、誰もが簡単に描けるというものではありません。どのイラストレーターも、過去に絵画を勉強し、筆やペンを使う訓練を積み重ねて、仕事としてイラスト制作ができるようになるのです。
村上先生の場合は、光の子園で長年絵画指導をしてこられた金恵子(キム・ヘイジャ、故人)先生から、絵を学ばれました。「子女教育奮闘記」のイラストは、村上先生が線を手描きされたあと、次に園内の職員が作業を担当します。パソコンでその絵をスキャニングし、髪の毛や背景を入れてもらうそうです。
「子女教育奮闘記」のイラストは、保育士歴30年の著者が、保育の現場で経験したことを背景に描かれています。幼児ならではの「心のままの表情」や、大人である保育士との違い。ほかのイラストレーターだと、おそらく園児の観察から始めないと描けないかもしれません。この連載は、文章だけではなく、ぜひイラストも注目してほしいところです。(F)