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スマホで立ち読み Vol.2
『よくわかる勝共理論』(13)
「私は真の凶暴に占有された」

 「ほぼ5勝共」でおなじみの中村学氏の『よくわかる勝共理論~日本と世界の平和のために』。混迷する時代の今だからこそ、しっかりと読んでおきたい一冊。
 すでに読んだよというかたも、まだ読んだことがない、知らなかったというかたも、みんな立ち読みオーケーです。

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中村 学・著

(光言社刊『よくわかる勝共理論』より)

第二章
マルクスの動機

「私は真の凶暴に占有された」
 それでもマルクスは、深い信仰を持ち続けていました。十七歳のときには、高校の卒業文集に次のように書いています。

 「もしキリストへの信仰がなく、キリストの言葉に従わなければ、人類は道徳を持つこともできず、真理への追求もできないだろう」

 「イエスだけが我々を救うことができる」

 彼の卒業文集は一種の信仰告白でした。自身の中に深い葛藤を抱えながらも、なんとか信仰を保っていたのです。

 しかし、そんなマルクスに大きな転機が訪れました。それはマルクスがボン大学からベルリン大学に転校し、下宿生活を始めてからのことでした。彼は父への反発も手伝って、サタン教のグループに入会しました。

 サタン教とは文字どおり、サタンを崇拝する宗教です。サタンに魂を売る代わりに、あらゆる野望をかなえてもらうというものです。マルクスはそこに入会しました。儀式にも参加し、様々な宗教的体験をしたようです。彼が書いた劇曲「オーラネム」には、その体験の様子が書かれてあります。

 地獄の気が舞い上がって、やがて私の脳を充満した
 私は気が狂い、心が完全に変わった
 この剣を見たか?
 闇の大王がそれを私に売った
 私のために、彼は拍子を取り、合図をする
 私の死の舞もますます大胆になる

 「この剣」というのは、サタンとの契約を証(あか)すために買うものです。マルクスはこの契約書に自ら署名し、儀式に参加し、そして「心が完全に変わった」というわけです。

 マルクスの父は彼と頻繁に手紙のやり取りをしていました。そして彼のこのような行動を知って、とても心配しました。そして彼に宛てて、次のような手紙を送りました。

 「君にはいつか有名になって、有益な人生を送ることを望んでいた。しかし私の望みはそれだけではない。これらの望みが実現されても、私を幸せにすることができない。あなたの心が純朴で、人間の心として鼓動し、悪魔に転化されないことしか、私を幸せにできない」

 マルクスは、次のように返信します。

 「私は脱皮した。聖なる主が私の体を離れ、新たな主が宿った。私は真の凶暴に占有された。私はこの凶暴な魂を鎮めることができない」

 彼は、信仰を完全に捨ててしまいました。また彼は、四歳年上のイェニーという女性との婚約をめぐり、父と激しく対立しました。こうして彼は、それまでの信仰や家族を捨て、新しい人生を歩み始めることになったのです。

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 次回は、「神に反発し、復讐を誓う」をお届けします(「スマホで立ち読み」での紹介は最終回となります)。


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