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スマホで立ち読み Vol.2
『よくわかる勝共理論』(11)
マルクスの目的

 「ほぼ5勝共」でおなじみの中村学氏の『よくわかる勝共理論~日本と世界の平和のために』。混迷する時代の今だからこそ、しっかりと読んでおきたい一冊。
 すでに読んだよというかたも、まだ読んだことがない、知らなかったというかたも、みんな立ち読みオーケーです。

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中村 学・著

(光言社刊『よくわかる勝共理論』より)

第二章
マルクスの動機

マルクスの目的
 ここまでが一般的な共産主義の考え方ですが、マルクスが体系化した共産主義、すなわちマルクス主義は、ここからさらに発展します。どう発展したのかというと、「共産主義の実現のためには暴力革命が必要である」と訴えました。

 既に説明したように、マルクスは神と社会を深く怨んでいました。そして当時のキリスト教社会を破壊したいと考えていました。しかしマルクスにはその力がありません。そこでマルクスは労働者に目を付けました。そして労働者たちに次のように訴えたのです。

 「君たちの立場はあまりにも理不尽である。理論的にそう証明できる。だからこの社会は破壊しなければならない。それが正義である。そしてその使命は君たち労働者にある。他ならない君たちこそ、新しい世界の主役なのだ。だから君たちは立ち上がらなければならない」

 そのように説得して、彼らを暴徒化させるのがマルクスの目的でした。

 ですからマルクス主義には、「理想的な社会をいかに実現するか」という建設的な理論は、ほぼありません。理想的な社会を目指したいのであれば最も重要な部分だと思いますが、そこがすっかり欠けています。「なぜ暴力が許されるのか」「なぜ暴力が必要なのか」という理屈ばかりなのです。

 日本でも共産主義の人々が、何でも反対ばかりして代案を示さない、ということがあると思います。これは共産主義が、もともとそのような理論だからです。

 マルクスとエンゲルスが共産主義について初めて書いたのは、「共産党宣言」という論文でした。ユネスコの世界記憶遺産にも登録されている非常に有名なものですが、その中に次のようなくだりがあります。

 「共産主義者は、これまでいっさいの社会秩序を強力的に転覆することによってのみ自己の目的が達成されることを公然と宣言する。支配階級よ、共産主義革命のまえにおののくがいい。……彼ら(=労働者)が獲得するものは世界である。万国の労働者よ、団結せよ!」

 このくだりを見れば、マルクスが理想的な社会を目指して共産主義を書いたとは、とても思えないでしょう。やはり彼の真の目的は、神と社会に対する復讐だったのです。

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 次回は、「孤独な幼少期」をお届けします。


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