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スマホで立ち読み Vol.2
『よくわかる勝共理論』(10)
「機会の平等」と「結果の平等」

 「ほぼ5勝共」でおなじみの中村学氏の『よくわかる勝共理論~日本と世界の平和のために』。混迷する時代の今だからこそ、しっかりと読んでおきたい一冊。
 すでに読んだよというかたも、まだ読んだことがない、知らなかったというかたも、みんな立ち読みオーケーです。

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中村 学・著

(光言社刊『よくわかる勝共理論』より)

第二章
マルクスの動機

「機会の平等」と「結果の平等」
 ここで一つ、説明しておかなければならないことがあります。日本では〝平等〟という言葉を使うとき、大抵は「機会の平等」と「結果の平等」とを混ぜてしまっているということです。実は、この二つは全く異なる概念です。

 例えば、国会議員の男女の比率を一対一に近づけるべきだという議論があります。これは「機会の平等」と「結果の平等」のどちらの話でしょうか。ちなみに日本の国会議員に占める女性の割合は、現在は10パーセント程度です。10人の国会議員がいれば9人が男性だということです。

 私たちが選挙で投票をするときに、「男女を区別して投票する」という制度はありません。「必ず男の人、女の人、一人ずつ選ばないといけない」というようなことはありません。立候補でも同じです。男女の区別なく選挙を行ってみたら、結果として女性が10パーセント程度だったということです。

 このように、機会を平等に与えることを「機会の平等」と言います。結果として男女の数が異なっても構いません。

 これに対して、結果を同じにすることを「結果の平等」と言います。上の例で言えば、「国会議員の人数は男女とも100人ずつにする」などと決めれば、そうなります。

 日本は基本的に「機会の平等」を採用しています。そして共産主義では「結果の平等」を追求します。ですからすべての人が同じ時間だけ労働し、同じ賃金を受け取るべきだと主張します。彼らの考え方によれば、資本家は不当に多額の報酬を受け取っています。しかも労働者が汗水流して働いているのに、彼らは指示をするだけです。だから「不平等だ。これはおかしい!」ということになるわけです。

 この不満こそが、共産主義思想の核心部分です。ですから共産主義は、貧富の差の激しい発展途上国で広がりやすい傾向があります。労働者の待遇が改善されると、資本家と戦うよりも協調したほうがよいと考えるようになるからです。

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 次回は、「マルクスの目的」をお届けします。


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