2025.03.04 17:00
世界はどこに向かうのか
~情報分析者の視点~
トランプ、ゼレンスキー会談「決裂」をどう見るか
渡邊 芳雄(国際平和研究所所長)
今回は、2月24日から3月2日までを振り返ります。
この間、以下のような出来事がありました。
国連総会、ウクライナ巡り米欧分裂(2月24日)。プーチン氏、レアアース共同開発を米国に呼びかけ、「新領土も含め」(24日)。尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の弾劾審判が結審、大統領側は「合法的」と主張(25日)。英仏首脳、米主導和平を歓迎、しかしウクライナ中心と強調(25日)。北が3000人規模をロシアに追加派遣か(27日)。トランプ大統領、ゼレンスキー大統領会談が決裂(28日)。日韓関係の発展に期待、韓国大統領代行(3月1日)。迫る尹錫悦大統領の弾劾判断、賛否両派が集会(1日)。ゼレンスキー大統領、米と協定署名する用意あると表明(2日)、などです。
トランプ大統領とゼレンスキー大統領の会談が2月28日、ホワイトハウスで行われました。
しかし本会談前の記者団の前で行われる懇談の場で、激しいやりとりとなり、準備されていた希少鉱物資源の共同開発を含む協定への署名や共同声明の発表は中止となってしまったのです。前代未聞の事態が起きてしまいました。
トランプ氏の戦争に対する基本姿勢は就任演説において明確です。
次のように述べています。
「2017年と同様、われわれは再び、世界がかつて見たこともないような最強の軍隊を築く。勝利した戦いだけでなく、終結させた戦争、そしておそらく最も重要なことだが、われわれが決して巻き込まれることのない戦争によっても、われわれの成功は判断されるだろう。
平和の構築者、そして団結させる者となる者としての貢献が、私の中で最も誇れるレガシー(遺産)となるだろう。平和の構築者と団結させる者、これこそが私の望む姿だ」
米国とウクライナの事前協議で、トランプ米政権がウクライナ支援の対価として同国に求めている鉱物資源権益に関する協定案に基本合意しました。
しかしゼレンスキー氏にとって合意内容は満足のいくものではなかったのです。
それは、ウクライナ側が求めてきた同国の「安全の保証」に関する規定が不明確だったからです。そこでゼレンスキー氏はトランプ大統領と会談し、安全の保証について米国側の認識を高めようとしたのです。
基本合意は、米国とウクライナとが資源関連収益を管理する共同基金を設立すること、基金にはウクライナの石油・天然ガスを含む資源や関連インフラの収益の50%が当てられ、同国経済に再投資されると規定されていました。
英紙「フィナンシャル・タイムズ」によれば、もともとはゼレンスキー氏が昨年9月、トランプ氏と会談した際、国内のレアアース開発を巡る経済協力を提案したといいます。
それは、米国からの支援をつなぎとめるとともに、ロシアとの和平交渉に向けてウクライナの安全の保証に米国の関与を引き出す狙いがあったのです。
しかし会談は決裂。その経緯をたどります。
本会談前の事前の話し合いは50分間で、初めは友好的でしたが、40分ほどたって暗転したのです。
同席していたバンス副大統領が、トランプ大統領が目指す合意について「平和への道とは外交に関与することだ。トランプ大統領がやっていることはこれだ」と述べた時、ゼレンスキー氏が反論したのです。
その内容は、2014年に南部クリミア半島を併合され、1期目のトランプ氏を含む歴代米政権がプーチン氏を止められなかったというものでした。トランプ大統領に対する批判といえるものでした。
そこで、同席していたバンス副大統領が「米メディアの前でこの主張をするために大統領執務室に来るのは失礼」「大統領に感謝すべきだ」と述べました。
するとゼレンスキー氏が「あなたがたも将来的には感じるはずだ」「(米欧間に)海があり、今は分からないかもしれないが、将来それを感じることになる」「神のご加護で米国に戦争が起きませんように」と語ったのです。
それは、あたかも米国がいずれ戦争に巻き込まれることになるとの発言だったのです。
トランプ氏が強く反応しました。
「あたかも第3次世界大戦に向かうのが必然。米国が巻き込まれるのは必然のように聞こえる」「あなたはそれを知り得ない」「私たちを指図する立場にはない」「カード遊びをしている。第3次世界大戦でもうけている」と語気を強めたのです。
会談はその後、非公開に移りましたが、協議も食事もなく、ほどなくしてゼレンスキー氏はホワイトハウスを去ることになったのです。
侵略者はロシアです。そして力による現状変更を許さないとの原則は国連憲章の精神です。
この精神は「国連軍」の存在(力)により貫かれることを知らねばなりません。朝鮮戦争における国連軍の投入がその実例です。
それでも、休戦協定は北朝鮮、中国、ソ連の敗北を前提とするものとはなりませんでした。
それほど、始まってしまった戦争を終わらせることは困難なのです。ましてや国連の現実は、「国連軍」創設が不可能という状態なのです。
だからこそ、バイデン前政権の対応が問題視されるのです。
「もし武力侵攻するのであれば、米国はあらゆる選択肢を排除しないでそれを阻止する」と明言することが必要だったのです。
もしそれがなされていたなら、「戦争」は起こらなかったでしょう。
「米軍の派兵はない」との発言は、絶対にあってはならないものだったのです。
今は現実主義の立場に徹し、米国による「安全の保証」はウクライナの希少資源共同開発から始まるとの判断が必要なのです。
まだチャンスはあります。ゼレンスキー氏の決断に期待します。そして停戦を最優先するトランプ氏との信頼関係を構築してもらいたいと思います。
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