https://www.kogensha.jp/news_app/detail.php?id=28246

ダーウィニズムを超えて 100

 アプリで読む光言社書籍シリーズとして「ダーウィニズムを超えて」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
 生物学にとどまらず、社会問題、政治問題などさまざまな分野に大きな影響を与えてきた進化論。現代の自然科学も、神の創造や目的論を排除することによって混迷を深めています。
 そんな科学時代に新しい神観を提示し、科学の統一を目指します。

統一思想研究院 小山田秀生・監修/大谷明史・著

(光言社・刊『ダーウィニズムを超えて科学の統一をめざして』〈2018520日初版発行〉より)

第八章 宇宙の統一原理に向けて

(三)対称性の破れ

7)主体・対象の二性性相の神
 レオン・レーダーマン、クリストファー・ヒルは、神がゲージ場(隠れた対称性)をつくったとき、神は「光あれ」と言ったという(*47)。つまり、ゲージ場から神の創造が始まったというのである。

 アンドレイ・リンデ(Andrei Linde)は、「そんなにも見事に仕事を合理化できる可能性があるのに、神がそれを利用しないことはありえない」と考えて、彼は「時空上のランダムな点で自発的破れが生じるような宇宙を思い描いた」のであり(*48)、神が対称性の自発的破れを利用して創造を行ったのではないかと示唆している。

 名古屋大学名誉教授の池内了は、「対称性の破れこそが、この世界を造り出したと言える。世界の創造主はひたすら対称性を壊す作業に従事してきたのだ(*49)」と、神は対称性を壊しながら宇宙の創造を行ったと述べている。

 完全な対称な世界では、動的な作業ができず、静かにじっとしているだけである。動的な作業がなされるためには、授ける―受ける、能動―受動の関係、すなわち主体―対象の関係にならなくてはならない。

 統一神観によれば、神は原初に自己同一的な存在として静かに瞑想しておられたが、やがて神は愛と喜びの対象として宇宙と人間を造る構想を抱き、発展的、動的な創造の神になられたのであった。

 自己同一的な状態にある神は、二性性相の主体・対象の動的な授受作用がまだ発動せず、発展的な状態にある神は、二性性相の主体・対象の動的な授受作用が発動した状態であると見ることができる。

 宇宙の原初にあったという対称性は自己同一的な存在としての神の世界に相当するのであり、対称性が破れたのは、発展的な存在として、創造を始められたことに対応すると見ることができよう。すなわち、対称性の自発的破れ、パリティの破れ、CP対称性の破れ、そして物質と反物質の非対称などは、神の創造のプロセスにおいて現れた現象であったと言えよう。そしてゲージ対称性、ネーターの定理は、宇宙の背後にある原初の自己同一的、永遠な世界の原理であると見ることができよう。


*47 レオン・レーダーマン、クリストファー・ヒル、小林茂樹訳『対称性』白揚社、2008年、326頁。
*48 ミチオ・カク、斉藤隆央訳『パラレルワールド』NHK出版、2006年、116頁。
*49 池内了『物理学と神』集英社、2002年、196

---

 次回は、「宇宙は永遠か」をお届けします。


◆『ダーウィニズムを超えて』を書籍でご覧になりたいかたはコチラ