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宣教師ザビエルの夢 79

 アプリで読む光言社書籍シリーズとして「宣教師ザビエルの夢」を毎週月曜日配信(予定)でお届けします。
 1549年8月15日、鹿児島に一人の男が上陸した。家族や故郷を捨て、海を渡った男が、日本で夢見たものは何か。現代日本に対する彼のメッセージを著者が代弁する!(一部、編集部が加筆・修正)

白石喜宣・著

(光言社・刊『宣教師ザビエルの夢-ユダヤ・キリスト教の伝統と日本-』〈1999429日初版発行〉より)

第六章 ザビエルの願いをたずねて

三、ザビエルの願い

●イエス・キリストへの敬愛
 「おお、神よわれは御身を愛し奉る。……おお、至愛なるイエズスよ、……ただ御身のわれを愛し給いしごとく、われも御身をとわに愛し奉る」(「完全なる愛の祈り」、尾原悟著、『ザビエル』清水書院に抄録、1998年)

 ザビエルは、報いのためでもなく、罰を逃れるためでもなく、ただ無条件に受けた愛のゆえに、神を愛すると祈ります。彼の思い、言葉、行いのすべてを支配していたのは、神のひとり子イエス・キリストへの愛を通して、至高なる父への愛を表すことであったように思えます。それは、イエス・キリストへの全き従順、キリストに倣う生き方でした。彼の宣教の熱意も、隣人へのいたわりも、すべてはその愛から出ています。

 フランシスコ・ザビエルは1549年8月15日、日本に到着しました。そして2年3か月の間、西日本の各地を巡りました。彼の歩いた跡には、その名を記念する教会が建ち、病院や学校が建ちました。その中では、今日でも絶えずイエス・キリストのみ名が唱えられています。彼の足跡をたどるとき、そこには、彼が敬愛したイエス・キリストの面影が現れてくるようです。それはまた、天の父の願いを指し示す道標ともなっているのです。

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 次回は、「日本への愛」をお届けします。


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