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世界はどこに向かうのか
~情報分析者の視点~

シリア・アサド政権崩壊、反体制派が暫定政権樹立も混乱は続く

渡邊 芳雄(国際平和研究所所長)

 今回は、12月9日から15日までを振り返ります。

 この間、以下のような出来事がありました。

 シリア、暫定政権樹立を発表(12月10日)。韓国、非常戒厳巡り金竜顕(キム・ヨンヒョン)前国防相を逮捕(10日)。北朝鮮メディアが韓国の戒厳を初めて報道(11日)。トランプ氏就任前にFBI(連邦捜査局)長官辞任へ(11日)。フランスの新首相に中道派バイル氏、予算成立が急務(13日)。韓国大統領の弾劾訴追案を可決(14日)。ロシア、北朝鮮兵を大量投入か~ゼレンスキー氏が非難声明(14日)。トランプ氏夫妻と安倍昭恵さんが面会(15日)、などです。

 12月8日、シリアの反体制派が首都ダマスカスを掌握し、アサド政権は崩壊しました。
 同日夜、アサド大統領と家族はシリアを出国してモスクワに到着したことが確認されています。半世紀に及んだ親子二代にわたる独裁体制が終焉(しゅうえん)したのです。

 崩壊の要因として、アサド政権を支えるロシアがウクライナ侵攻に追われており、また連携していたイランやレバノンのヒズボラなど親イラン民兵組織もイスラエルとの戦闘に忙殺されており、アサド政権への支援が手薄になった隙を突いた反体制派の攻勢が奏功したのです。

 シリアではハーフィズ・アル=アサド氏が1971年から大統領を務めて独裁体制を築き、その死去に伴って息子のバッシャール・アル=アサド氏が2000年に大統領に就任しました。
 その後、「アラブの春」といわれる2011年の民主化要求デモを徹底弾圧し、同国は内戦に陥ったのですが、2015年、ロシアがシリア内戦に軍事介入して反体制派勢力を空爆し、劣勢にあったアサド政権軍を優勢に導いたのです。

 ロシアやイランなどの支援が細る中、イスラム過激派「シリア解放機構(HTS)」を主体とする反体制派は11月27日、北部アレッポや北西部イドリブで政権側への本格攻撃を開始。今月上旬にはハマや要衝ホムスなど中部の都市を制圧し、さらに南下を続けて12月8日早朝、首都ダマスカスに入ったのです。政府側の抵抗には遭わなかったといいます。

 こうして独裁体制は崩壊しましたが、今後の統治体制の行方を見通すことができません。中東の混迷が一段と深まる可能性もあります。
 シリア内戦では、米国やトルコなどがそれぞれ別の反体制派組織を支援してきた経緯があるのです。

 確かなことは、アサド政権を支えてきたロシアにとって「崩壊」は痛手です。またイランにとっては、対イスラエル攻撃を念頭に築いたネットワークの一角が崩れることを意味しますので、これまた大きな痛手なのです。

 反体制派は10日、暫定政府の樹立と来年3月1日まで統治することを発表しました。
 反体制派が設立した行政機構「シリア救国政府」に権力が移譲されたのです。首相には、救国政府のトップのムハンマド・バシル氏が任命されました。

 米国のブリンケン長官は9日、シリアのアサド政権崩壊を受けた政権移行に関して「歴史的なチャンスであると同時に大きなリスクをはらんでいる」と述べています。
 そしてイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国(IS)」が再び台頭することを阻止する考えを示したのです。

 トランプ氏はこれまで、シリアへの不介入を主張してきました。来年1月の就任以降の対応に注目が集まっています。



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