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ほぼ5分で読める勝共理論 59
天皇について⑦
天皇の歴史性~象徴天皇

編集部編

宮家の中に男子が生まれなかったら
 前回は、男系男子の意味について説明しました。
 今回はその続きとして、これをどう解決したらいいのかということについて、お話ししたいと思います。

 この問題が一番話題になったのは、今上天皇のお子さまが愛子さましか生まれず、他にも宮家の中で男子が生まれなかった時のことです。

 「このままでは男系男子の天皇がいなくなってしまう」「皇室典範を変えて女性天皇を認めたらいいのではないか」「女系天皇も認めたらいいのではないか」という話が出てきました。

 当時の小泉純一郎総理は、専門家からの意見を聞いて、女性天皇を認めようと考えていました。
 もちろん反対もたくさんあって、かなり困っていたのです。

 ちょうどその頃に秋篠宮殿下のお子さまとして悠仁(ひさひと)殿下がお生まれになりました。
 男系男子の誕生です。
 これでとりあえずは心配なくなったので、議論はいったん立ち消えになりました。

 しかし天皇家でも少子化の傾向が続いていて、この問題は本質的には解決されていません。
 具体的に言うと、現在の宮家は今上天皇のほか、秋篠宮殿下、常陸宮殿下、三笠宮殿下、高円宮殿下のご家族しかいなくなってしまいました。

 このご家族のうち、男性でこれからお子さまを生めるような年齢のかたは12歳の悠仁殿下しかいません。
 仮に悠仁殿下が成人されて、そのお子さまとして男子が生まれないと、天皇がいなくなってしまうのです。
 これは深刻な問題です。

 では、どのように考えたらいいのでしょうか。

 実は、日本にはかつて、宮家はもっとたくさんありました。いつ減ったのかというと1947年です。つまりGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の占領下です。GHQはそもそも、天皇制をなくそうと考えていました。
 それでとりあえずは天皇の直近の家族だけを残して、11の家族、51人を一般人にしたのです。このかたがたを「旧宮家」といいます。

 旧宮家の中には男性のかたもたくさんいらっしゃいます。
 父方をさかのぼると神武天皇に行き着きます。ですからこのかたがたを宮家として復活させれば男系男子になります。これで継承者の問題は大方解決するでしょう。
 問題が深刻になってから検討するのではなくて、日本の在り方を考える上では、今から真剣に検討しておくべきだと思います。

 もちろん旧宮家のかたがたは一般人ですから、宮家のかたと違って日本国民としての権利が保障されています。
 ですから本人の希望を取って、望まれるのであれば宮家として復活するという形がいいのではないかと思います。

日本人を日本人たらしめている象徴的存在
 ではここで、これまでの話をまとめたいと思います。

 まず天皇とは、支配者ではないという話をしました。
 神の子孫であり、人間の代表者でもある。常に国家と国民のために祈り、国民と共に生きる。それが日本という国であるということです。

 つまり日本という国を議会制民主主義という現在の構造として考えるのではなくて、人々が自然から恩恵を受け、自然と共に生きてきた国だと考えれば、天皇は日本という国の象徴であるといえるでしょう。

 そして天皇は国民の安寧(あんねい)と繁栄を常に祈ってこられました。これからも同じように全身全霊で祈られるでしょう。それが日本国民の基礎にあるのだと思います。
 そういう意味では、天皇は現在、過去、未来の日本国民の統合の象徴です。
 日本国民を表しているのではなく、こういう歴史を持った日本において、日本人を日本人たらしめている象徴的存在が天皇であるということなのです。

 これは一つの見解であって、どこにも正解はないのですが、少なくとも多くの学校の先生が教えるような「戦前の悪なる天皇とは違う」という意味での象徴よりは、合っているのではないかと思います。

 これに対して、天皇は象徴ではなくて、国家元首であるべきだという話があります。

 これについてはまた次回、お伝えします。

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