2024.12.05 12:00
ほぼ5分で読める勝共理論 58
天皇について⑥
天皇の歴史性~男系天皇
編集部編
男系とは何か?
天皇の始まりは紀元前660年に即位した初代の神武天皇です。
天皇家はそれ以来、男系の血が途切れずに続いてきました。現在の今上天皇(天皇徳仁〈なるひと〉)は126代目です。
ここで、男系とは何なのかということを簡単に説明しておきましょう。
男系天皇というのは、父親をさかのぼると神武天皇に行き着くということです。
例えば、今上天皇のお子さまは愛子さまだけです。そして皇室典範という法律では、天皇は男系男子しかなれません。愛子さまは女子なので天皇にはなれません。
では、皇室典範を「女子でも天皇になれる」と変えればどうでしょうか。愛子さまは天皇になれるでしょうか。
答えはもちろんイエスです。歴史的にも女性天皇は126人の中で10人もいます。ですが問題は、愛子さまの次に誰が天皇になるかということです。
仮に愛子さまが結婚された後、天皇になったとします。その男性は、おそらく天皇家のかたではないでしょう。
天皇家のことを宮家といいますが、宮家は天皇皇后のご家族と、男子のお子さまのご家族だけです。
ちなみに宮家のかたがたは、憲法上の「日本国民」ではありません。戸籍もありませんし、苗字もありません。職業選択の自由もありませんし、信教の自由もありません。
それどころか24時間監視されています。買い物に行く自由がないので、必要なものはAmazonなどを使います。
話を元に戻すと、愛子さまのお子さまは、父親をたどっても神武天皇にたどりつきません。
だから仮に愛子さまのお子さまが天皇になれば、神武天皇以来、約2600年を経て初めて男系ではない天皇が誕生します。
もちろん愛子さまが天皇になって、その次の天皇は男系のかたの中から選ぶという方法もあります。
男系ではない天皇が誕生したらどうなるか
現在の皇位後継者の順位は、第1位が59歳の秋篠宮文仁(ふみひと)殿下です。第2位が18歳の悠仁(ひさひと)殿下です。
愛子さまが亡くなられた時は秋篠宮殿下も亡くなられているでしょうから、おそらく悠仁殿下になるでしょう。でもそうするなら、わざわざ愛子さまを天皇にする必要はありません。
問題は、男系ではない天皇が誕生したらどうなるかということです。
これはどういうことかというと、神武天皇以来の日本とは違う、別の日本が誕生するということです。
そうすると、日本の在り方を根本から考え直さないといけないことになります。
皆さんは意外に思うかもしれませんが、世界では憲法などのルールの一番の根底部分には、理論的ではない根拠があります。
例えば、アメリカの憲法の土台には、人間の権利は創造主が与えたという独立宣言の価値観があります。
この創造主の存在は理論的には証明できません。しかしそれを一番の根拠にしてアメリカの憲法が書かれています。そして現代のアメリカのさまざまなルールが作られています。
原点には創造主の存在があって、その上で今のアメリカという国が存在しているということなのです。
これはアメリカだけではありません。
ルールを作るには原点が必要です。そうしないと、なぜ人権が認められるのか、なぜ人を殺してはいけないのか、なぜ国が必要なのかという説明ができません。
そして日本では、天皇の即位によって国が誕生しました。だから男系天皇というのは、単なる男女平等の話ではありません。日本という国の原点に関わる問題です。
例えば、法隆寺は世界最古の木造建築物です。だから保存しないといけません。技術的な理由は別です。
それと同じ話ではないのですが、日本は神武天皇から始まって、男系天皇によって受け継がれてきた国です。だから男女平等とかいう話とは全く関係がなくて、これを変えることは国の在り方に関わる根本的な問題になってしまうのです。
次回は、この問題の解決案について説明します。
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