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ダーウィニズムを超えて 87

 アプリで読む光言社書籍シリーズとして「ダーウィニズムを超えて」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
 生物学にとどまらず、社会問題、政治問題などさまざまな分野に大きな影響を与えてきた進化論。現代の自然科学も、神の創造や目的論を排除することによって混迷を深めています。
 そんな科学時代に新しい神観を提示し、科学の統一を目指します。

統一思想研究院 小山田秀生・監修/大谷明史・著

(光言社・刊『ダーウィニズムを超えて科学の統一をめざして』〈2018520日初版発行〉より)

第八章 宇宙の統一原理に向けて

(一)宇宙の生成はフリーランチか

4)統一思想の見解
 真空には、スカラー場であるエネルギーの場がなぜ存在しているのであろうか? 真空はエネルギーの貯蔵庫と言うならば、そのエネルギーはどこから生じるのであろうか?「愛は、神から出たものである。……神は愛である」(第一ヨハネ478)と聖句にあるように、愛の根源は神の愛であり、それが人と人の授受作用を通じて、子女の愛、兄弟姉妹の愛、夫婦の愛、父母の愛という四つの愛として現れるのであり、神の愛という愛の根源がなければ、人と人の間に愛は生じえないのである。

 同様に、力(エネルギー)にも根源となる力があるのであり、それが様々な作用を通じて、宇宙の四つの力である、重力、電磁気力、強い力、弱い力として現れ、宇宙を形成しているのである。その根源となる力を万有原力という。

 力にもその根源があると見れば、宇宙は決してフリーランチとして生じたのではない。人と人との愛は神の愛から生じているように、宇宙の四つの力も、神の力に由来する万有原力から生じているのである。

 すなわち宇宙を生成せしめ、進化(発展)せしめたという重力も、万有原力に由来するのである。そして電磁気力に引力と斥力があるように、重力にも引力と斥力があると見ることができる。宇宙を膨張させるときには、斥力としての重力が働き、収縮するときには引力としての重力が作用しているのである。

 ビッグバンの際に、10万分の1のレベルの「ゆらぎ」があり、その揺らぎが銀河の形成をもたらしたという。ビレンケンは宇宙の中で銀河が分布するパターンはスカラー場に対して与えられる、量子的な「キック」によって形成されるという。

 そのような銀河を形成するのに都合のよい「ゆらぎ」や「キック」がありえるであろうか。「ゆらぎ」や「キック」はただ、宇宙に物質のむら、すなわち凸凹を生じたということにすぎない。個々のユニークな天体、そして地球上の植物、動物、人間が、そのような物質のむらだけで生じることはできない。そこには微細な構造を持ったデザインを認めなくてはならないのである。

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 次回は、「アインシュタインの宇宙項」をお届けします。


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