2024.11.07 12:00
ほぼ5分で読める勝共理論 54
天皇について②
日本の自衛隊は軍隊ではない?
編集部編
海上自衛隊は“Japan Navy”?
だいぶ前の話になるのですが、「憲法9条にノーベル賞を…」という運動がありました。
それぐらい「9条は特別なものだ」「世界中で戦争をしない憲法、軍隊を持たない憲法は日本にしかない」と言いたいのでしょう。
でもこれはおかしな話です。
まず日本には自衛隊があります。
自衛隊には最新鋭のステルス戦闘機もあれば戦車もあります。
「自衛隊は軍隊ではない」「あれは実力組織なのだ」と、どれだけ力説しても、納得する外国人は誰もいないでしょう。
ですから、9条は世界の中でも特別なものなのだと言われても困るわけです。
日本の中では、自衛隊は軍隊ではないということになっています。
ですから陸軍、海軍、空軍という言葉は使いません。それぞれ陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊といいます。
でも2018年末のレーダー照射の事件の時には、海上自衛隊が“Japan Navy”と言っていました。
「This is Japan Navy(こちらは日本海軍です)」と言っているのです。
本当は、「こちらは海上自衛隊です」。つまり「This is Japan Maritime Self-Defense Force」と言わないといけないところです。
でもこれを直訳すると、「こちらは日本の海上における自衛の力です」となります。
そんなややこしくて長い言葉を緊急事態に言われても困ります。それで“Japan Navy”と言ったのです。
外国人には理解し難い“Japan”?
それから自衛隊では、戦車ではなくて「特車」といいます。
「あれは戦車じゃない。確かに大砲で攻撃ができて、車体が頑丈にできている。世界中の戦車の中でもトップレベルの性能を持っている。でもあれは戦車じゃない。特別な車で、日本では特車と呼んでいるのだ」というのです。
でも実際は、どこからどう見ても戦車です。特車を英語に訳しても戦車です。
ですから外国人にしてみれば、自衛隊には陸軍と海軍と空軍があって、戦闘機も戦車もある。それが軍隊じゃないなんておかしいじゃないか。
「軍隊を持たない9条にノーベル平和賞を」と言われても何のことかさっぱり分からない。一体何が言いたいのだ。「Why Japanese people ?」ということになるでしょう。
自衛隊の話でだいぶ引っ張ってしまいましたが、話を元に戻すと、日本の憲法が世界で最も独特であるのは9条があることではありません。
それは、前回説明したように、日本国憲法の第1章の題名が「天皇」であって、1条から8条までずっと天皇について定めているということです。
皆さんはおそらく、学校で天皇について習った時に、戦前の悪い制度とは違うのだ、ということを強調されたのではないでしょうか。
戦前の天皇は支配者のような悪い存在だった。天皇が原因で戦争も起きた。国民が虐げられた。しかし今の天皇は政治的な権力を持たない。国民主権になった…。
こうやって、天皇制をかなり批判した上で、日本国憲法は天皇に何の権力も持たせないことにした。それが「象徴天皇制」なのだ、というようなイメージです。
実はこのイメージは、本来の天皇制とはだいぶ違うイメージです。象徴という意味も間違えています。
でもたくさんの先生たちがそう教えています。
おそらく学校の先生たちも、天皇とは何なのか、象徴とは何を意味するのかということの本質を、あまり知らないで教えているのではないかと思います。
あるいは共産主義の思想を持った教師が、確信犯的にそう教えているのかもしれません。
どちらかは分かりませんが、仮に皆さんもそういうイメージで象徴天皇制を捉えていたのであれば、ぜひこの機会に本当の意味を知ってもらいたいと思います。
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