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ほぼ5分で読める勝共理論 53
天皇について①
天皇とはいかなる存在なのか?

編集部編

「象徴」としての天皇とは?
 今回から、日本の天皇について説明します。

 さて、201951日に改元があって、「令和」という新しい元号になりました。

 テレビで何度も元号や天皇について放映していたので、皆さんもだいぶ天皇について知るようになったのではないでしょうか。

 皆さんに二つの質問をしたいと思います。

 まず一つ目は、天皇とはいったい何でしょうか、どのような存在なのでしょうか、という質問です。

 日本国憲法では「象徴」と書いてありますが、象徴とはいったい何なのでしょうか。そして、天皇は何をどう象徴しているのでしょうか。

 実はこの正解は誰にも分かりません。

 何といっても上皇陛下ご自身が、象徴天皇とは何かということを探りながら歩んできたと語られています。

 ですから象徴天皇の意味について、これが正解だ、というものはありません。
 ですが、そもそも天皇とはどういう存在なのかということについては、日本人であれば、ぜひとも知っておくべきだと思います。

 この点については、このシリーズをご覧になれば、よく分かっていただけるのではないかと思います。

憲法と天皇
 それではもう一つの質問です。

 日本国憲法では最初に前文があります。
 「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」といった部分が有名ですね。

 それで前文が終わるといよいよ本文に入るのですが、では本文の最初、つまり日本国憲法の第1章は何という題名でしょうか。そして第1条は何について定めているでしょうか。

 皆さんはご存じでしょうか。

 この質問は正解を言ってしまいますが、日本国憲法の第1章の名前は「天皇」です。第2章が「戦争放棄」で、第3章でやっと「国民の権利」が出てきます。第4章以降は、国会とか内閣とか裁判所とか、国の機関について説明しています。

 つまり日本の憲法は、国民の権利とか国の在り方を説明する前に、まず天皇とはいかなる存在なのかということをはっきりと定めているのです。
 こういう憲法はおそらく世界中どこを探してもないと思います。

 憲法第1条には、「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて」と書いてあります。

 日本国憲法第1条の主語は、なんと「天皇は」なんですね。
 「日本は何々である」でも「日本国民は何々である」でもないのです。

 つまり日本というのはどういう国なのか、という定義を定める上で、まずは天皇について決めないといけなかったということなのです。
 それぐらい天皇というのは日本にとって特別な存在なのだ、ということです。

 ちなみに、日本共産党は「憲法を守れ」と言いながら、天皇制にはこっそりと反対しています。これは明らかに矛盾しています。

天皇はお一人
 では、これからしばらく天皇についてお話ししていきますが、まずは言葉の説明をしておきましょう。言葉が分からないと、話が分かりにくくなってしまいますので。

 まず、現在即位している天皇のことを「今上天皇」といいます。そして天皇の妻を「皇后」といいます。
 敬称を付けるときは「陛下」を使います。「天皇皇后両陛下」といったりしますね。

 よく誤解されるのですが、天皇は一人であって、皇后は天皇ではありません。
 例えば、天皇には元旦の早朝5時半ごろから、皇居の中の特別な場所で国民のためにお祈りをする務めがあります。

 これは東西南北の四方の神々に国家国民の安寧(あんねい)を祈るもので、平安時代から続く「四方拝(しほうはい)」という行事です。
 これを天皇は一人で行います。美智子様は皇后時代にその近くで一緒にお祈りをされていたそうですが、それは皇后の本来の役割ではありません。あくまでも天皇というのはお一人なのです。

 それから天皇を退位したかたを「上皇」といいます。
 「昭和天皇」というように元号を付けるのは、亡くなられた後に生前の功績を称えて言う場合ですから、生きておられるのに「平成天皇」と言ってはいけません。

 生きておられる間は上皇です。上皇の妻が上皇后で、天皇の息子を皇太子といいます。
 そして天皇、皇后、上皇、上皇后に付ける敬称が「陛下」です。その他の皇族のかたは、全員「殿下」です。

 これからしばらくの間、天皇について学んでいきたいと思います。

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