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世界はどこに向かうのか
~情報分析者の視点~

「レッドライン」を越える北朝鮮

渡邊 芳雄(国際平和研究所所長)

 今回は、10月28日から11月3日までを振り返ります。

 この間、以下のような出来事がありました。

 イスラエル国会、UNRWA(国際連合パレスチナ難民救済事業機関)禁止法案可決(10月28日)。中国、韓国人を反スパイ法で初逮捕と韓国メディアが報道(29日)。フランスの軍艦が台湾海峡を航行、中国をけん制(29日)。北朝鮮、ICBM(大陸間弾道ミサイル)を発射(31日)。ロシア、クルスク州に北朝鮮兵8000人を派兵か(31日)。イラン・ハメネイ師、イスラエルに再報復宣言(11月2日)、などです。

 わが国の防衛省は10月31日、北朝鮮が同日午前7時11分ごろに平壌近郊からICBM級の弾道ミサイルを北東方面に発射し、同8時37分ごろ、北海道奥尻島の西方約200キロの日本のEEZ(排他的経済水域)外に落下したと発表しました。

 防衛省はさらに、飛距離は約1000キロで最高高度は7000キロを超えて約86分間飛翔(ひしょう)したことを明らかにしており、これまでに北朝鮮が発射したICBMと比べ、最高高度は最も高く、飛翔時間も最長だったとし、同日の自民党の会合では、固体燃料型の新型ミサイルと推定する分析を示しました。

 韓国軍は、同ミサイルを、高角度で打ち上げて飛距離を抑えるロフテッド軌道での発射とみています。

 林芳正官房長官は同日、記者会見で、「弾頭重量などによっては1万5000キロを超える射程になり得る」との見解を示していますが、重要なことは北朝鮮軍のICBM技術の驚くべき向上であり、全ての機能において「初めて」の結果を示したことなのです。

 北朝鮮国防省は同日、ICBMの「極めて重大な」発射実験を実施したと表明。北朝鮮メディア(朝鮮中央通信)は同日、金正恩(キム・ジョンウン)総書記が発射に立ち会ったこと、そして北朝鮮は「核戦力強化路線を絶対に変えないと明言する」と宣言したことを報道しました。

 同通信による報道は発射から約5時間後であり、北朝鮮がミサイル発射を翌日ではなく、当日報じるのは極めて「異例」のことです。

 ICBMの発射は、昨年12月18日の固体燃料型ICBM「火星18」以来であり、大統領選挙(11月5日)を控える米国に対して米本土を狙うICBMの能力を誇示し、核・ミサイル開発で譲歩しない姿勢を鮮明にした形となりました。

 北朝鮮が、ロシアへの軍事支援の見返りに、ロシア側の核・ミサイル技術の入手に加え、国連安保理の追加制裁を阻む拒否権行使に期待していることは明らかです。

 さらなる問題は、韓国国防省の情報部門・国防情報本部が10月30日に、北朝鮮が北東部の豊渓里(プンゲリ)にある核実験場で内部の準備をほぼ完了したようだと明らかにしたことです。

 北朝鮮は米国との非核化交渉で2018年に閉鎖した豊渓里の核実験場の復旧を進めていました。
 核実験に踏み切れば、2017年以来7回目となり、アジアと世界に衝撃が走ることになります。



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