2024.10.29 17:00
世界はどこに向かうのか
~情報分析者の視点~
第50回衆院選で与党惨敗、党執行部責任論が浮上
渡邊 芳雄(国際平和研究所所長)
今回は、10月21日から27日までを振り返ります。
この間、以下のような出来事がありました。
BRICS会議、中露が対欧米で結束狙う(10月22日)。インドと中国、5年ぶりに首脳会談を実施(23日)。金正恩(キム・ジョンウン)氏がICBM(大陸間弾道ミサイル)基地を視察、米をけん制(23日)。露派遣の北朝鮮兵3000人に、韓国当局・国家情報院(23日)。米大統領選前に北ICBM発射の可能性、韓国国防省(24日)。イスラエル、イランへ反撃、核・エネルギー施設含まれず(26日)。李克強前首相の死去1年、厳重な警備(27日)。第50回衆院選の投開票実施(27日)、などです。
第50回衆議院議員総選挙の投開票が10月27日に行われ、与党(自公)が過半数割れの大惨敗となりました。
与党の議席数が、総議席数465議席の過半数233を下回る215議席となり、18議席届かない状況となったのです。
各政党の獲得議席数は以下のとおりです。なお、( )内は解散前議席です。
自民191議席(247)、公明24(32)、立民148(98)、維新38(44)、共産8(10)、国民28(7)、れいわ9(3)、社民1(1)、参政3(1)、保守3(0)、無・他12(22)。(※「参政」は参政党、「保守」は日本保守党)
主な敗因は、自民党の「政治とカネ」(裏金)問題についての不信を拭い切れなかったことです。
特に選挙戦の最終盤に、派閥の政治資金問題で非公認とした候補者の政党支部に、活動費2000万円を支給したことが「ダメ押しの決定打」となってしまいました。
加えて、このたびの解散が「疑惑隠し」のように見えてしまったことが挙げられます。
石破茂首相は9月末の総裁選で、「7条解散」について否定的な見解を示していました。
7条解散とは、日本国憲法第7条に基づく解散をいいます。
条文には、内閣の助言と承認による天皇の国事行為として行われる衆議院の解散がうたわれていますが、天皇は国政に関する権能を有しない(憲法第4条)ことから、内閣総理大臣の専権事項とされているのです。
この専権を振るうことは慎重にすべきと常に主張していたのです。
石破氏は総裁選で、予算委員会を開催して国民に現下の政策課題を明示してから解散すべきであると述べていました。
ところが臨時国会(10月1日)で首班指名を受ける前に解散総選挙の日程を明示することとなり、「疑惑隠し解散」といわれるようになってしまったのです。「7条解散」そのものです。
議席の大幅減と共に、現閣僚である牧原秀樹法相や小里泰弘農相、さらに公明党代表の石井啓一氏が選挙区で落選する事態となってしまいました。
党執行部の責任問題が浮上するのは避けられないでしょう。
今後の日程として、まず、総選挙後の首相指名選挙を行う特別国会の開催があります。
投票日から30日以内に開催することとなっており、政府・与党は11月11日開催とする方針です。
与党だけの議席では過半数に至りません。連携に向けての動きが活発化することとなりますが、石破政権が完全に行き詰まることもあり得ます。
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