https://www.kogensha.jp/shop/detail.php?id=4164

心情開拓
心霊を育てる生活原則(180)

 原理を生活化するために、李耀翰(イ・ヨハン)先生(1916~2019)が信仰のイロハを日本人の心情を分析しながら説かれた講話集、「心情開拓~心霊を育てる生活原則」を毎週金曜日配信(予定)でお届けします。
 家庭連合の教会員の皆さまはもちろん、世代を超えて多くのかたに読んでいただきたい書籍です。

李耀翰・著

(光言社・刊『心情開拓~心霊を育てる生活原則』〈200549日第3版発行〉より)

16 結実時代
(巡回師認定講座より 1984年4月18日)

▲李耀翰先生

自分が自分を救う

 今まで、キリスト教では、「イエス様が救うのだ、メシヤが救うのだ」と思ってきています。しかし、絶対、救うことができません。自分が自分を救うのであって、他人によって自分が救われるようにはなっていないのです。

 学校へ行って勉強するのも、自分がするのであって、先生が代わりにしてあげることはできません。先生は教えはするけれど、学ぶのは本人であり、お母さんも代わりに学んであげることができない。

 ですから皆さんも、将来何を担当しても、自分は自分らしくしなくてはいけません。そうなれば、自分のようになりたいという後輩に対して、指導するのは問題ではないのです。自分が健康であれば、自分より弱い人を助けるのは問題ではありません。自分が力をもてば、自分より力のない人の荷物を持ってあげるくらいは問題でないのと同じです。人をどうするか、どう教えるか、どう伝道するか、そんなことは心配しないで、自分をどうしているのか、本当に神と因縁をもったその因縁が具体的に何をもって自分を喜ばせているのか、それを心配すべきなのです。

 具体的に心情を喜ばせるには、「これだ!」と具体的に悟らないと、心情を喜ばせることはできません。漠然とした知識、漠然とした信仰では、自分の心霊はあいまいになるのです。何によって、自分は力を得て暮らしているのか。

 きょうの生活の中で、何が自分に貴重であると悟らされたのか。きょう何をおいしく食べて、力を維持しているのか。心情の食べ物も同じです。何が自分の心情の糧になって喜んだか、これが具体的でないと、心霊は成長しません。み言(ことば)によって動機を得て、育てなければならないのです。

 神様は御自身の責任として、神様と因縁を結んだ人たちに、時が変わればいつも、その時と、時の内容を教えてくださるのです。「今の時はこうだ、摂理はこうだ、霊界はどうするつもりだ」、これを教えるのが真の親です。私たちの先生もそれを教えてくださいます。それを聞いた者は、自分の生活で、この時はこうで、私たちのもつべきは何で、どう合致すべきかを悟り、受肉しなければなりません。教えられたものを、自分の生活でどうおいしく食べるか、時のポイントを知って自分の心霊に力を与えるのは、本人です。

 神様は私たちを、心情の本性に戻らせ、「私は神様のものだなあ」ということを実感させるのです。それでは、神様の者ならどうすべきでしょうか。それは、神様と約束を結び、神様との条件をつかまえて、神様の事情を悟って、自分を悟って、徐々に自分を実らせるのです。皆さんは今まで相当神を学んできましたが、これからは自分を学ぶ時代です。牧会のポイントは、神と自分との関係、この動機、関係さえはっきりしたなら、別に先生はいりません。何の教条もいらない。本当に自分の心情の路程において、自分で価値を発見する人には、メシヤはいりません。絶対法則によって育て上げるように神様は造ったからです。するなということをしなければ、死ぬようなことをしなければ、否定的なことをしなければ、本当に満足して心情にあふれて感謝して暮らせるし、完成するのは絶対的であったのです。

---

 次回は、「自分の心情の声を聞く祈祷」をお届けします。


◆『心情開拓』を書籍でご覧になりたいかたはコチラ