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ダーウィニズムを超えて 81

 アプリで読む光言社書籍シリーズとして「ダーウィニズムを超えて」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
 生物学にとどまらず、社会問題、政治問題などさまざまな分野に大きな影響を与えてきた進化論。現代の自然科学も、神の創造や目的論を排除することによって混迷を深めています。
 そんな科学時代に新しい神観を提示し、科学の統一を目指します。

統一思想研究院 小山田秀生・監修/大谷明史・著

(光言社・刊『ダーウィニズムを超えて科学の統一をめざして』〈2018520日初版発行〉より)

第七章 混迷する神なき現代物理学

八)物理学の行くべき道

5)対称性の破れ
 宇宙論学者の池内了は「世界の創造主はひたすら対称性を壊す作業に従事してきたのだ(*50)」と言っている。そのとおりである。神の二性性相は主体と対象の関係にある。主体と対象の関係は能動と受動の関係にある。したがって神の二性は対称的ではない。もし神の二性が対称的であったら、神は創造のわざを始められなかったであろう。神は永遠に静的であり、沈黙していたことであろう。しかし神は主体と対象の二性性相であり、創造のわざを始められたのである。したがって、神が創造のわざをなされるとき、物理世界において、対称性は破れたのである。

6)無からの創造
 キリスト教およびイスラム教において、神(アッラー)は無から世界を創造したとされる。統一思想は、神が創造なさる前には、世界には何もなかったことは認める。しかしアウグスティヌスが言うような、純粋に精神的存在である神によって、すなわち精神によって物質が造られたのではない。

 精神的側面と物質的側面(根源的エネルギー)を兼ね備えている二性性相の神は、自らのエネルギーを用いて創造を始められたのである。イザヤ書4026節には、「目を高くあげて、だれが、これらのものを創造したかを見よ。主は数をしらべて万軍をひきいだし、おのおのをその名で呼ばれる。その勢いの大いなるにより、またその力の強きがゆえに、一つも欠けることはない」と書かれている。したがって神はただ精神的な存在だけではなく、「力の強き神」であり、「勢いの大いなる神」なのである。すなわち、無限のエネルギーを有する神である。ゆえに神は自らのエネルギーを用いて、創造を始められたのであり、宇宙を支えながら、今もなお創造を継続しておられるのである。そのように神が宇宙を支えていることを受け入れるならば、ダークエネルギーの謎、真空のエネルギーの謎に新たな光が投げかけられるであろう。


*50 池内了『物理学と神』集英社、2002年、196

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 次回は、「霊界の発見」をお届けします。


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