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天一国主人に育む「神様コーチング」40
統一原理に基づいた相談

ナビゲーター:阿部 美樹

 統一原理の三つの大きな柱になるのが、「創造原理」「堕落論」「復帰原理」です。

 創造原理は、神様の創造目的、人間の本然の姿、幸せ・発展の原理などについて解きます。

 堕落論は、サタンの正体と働き、堕落の結果、不幸の原因などを明らかにしています。

 復帰原理では、蕩減(とうげん)復帰の法則、歴史の目的と教訓、救いと条件などが解かれています。

 統一原理の流れが、「創造原理⇒堕落論⇒復帰原理」となっているように、相談の流れも同じようになることが原理的であると考えられます。

 しかし従来の相談の多くは、「堕落論⇒復帰原理⇒創造原理」の流れになっていることが多いことに気付きます。

 具体的には、相談の最初は「相談のテーマ(悩み・願い)」を確認します。

 例えば、「子供のひきこもりで悩んでいる」というテーマで考えてみましょう。

 一般的な相談の流れだと、「どんな状況ですか?」「いつからそうなったんですか?」「きっかけは何ですか?」「何が原因でしょうか?」「何が問題でしょうか?」という質問をしながら「堕落論的考察」をします。

 その次には、「解決のためにはどうしたらよいでしょうか?」「どんな心がけで、何ができますか?」「誰が、どれぐらい、いつまでやりましょうか?」など「復帰原理的考察」をします。
 その土台の上で、創造原理的な本来の元気で幸せな姿を取り戻すという流れに移ります。

 しかし統一原理が「創造原理」から始まるように、相談活動も創造原理的な考察から始めるべきではないでしょうか。

 相談テーマに対して、「その悩み(望み)をどのようにしたいのか?」「神様が願う本然の姿は、どんな状態なのか?」「これから何をゴールにして相談を進めていくのか?」という「ゴール設定」が必要です。

 人生を「車の運転」に例えるならば、最初にやることはエンジンをかけることではありません。
 まずは、「行き先(ゴール)を決めること」であり、「目的(何のため)を決めること」です。

 同じように、人生の悩みや願いも、「どうなりたいか?」というゴール設定が最優先になります。

 その次に、「現在地はどこか?(現状把握)」「ゴールまでどれだけの距離と時間がかかるのか?(問題把握)」を明確にして、そのためには「交通手段は何が有効か? どの経路で行くのが安全か? 早く行ける近道は?(解決方法)」を検討します。

 最初にゴール設定を行いながら、悩みが解決する姿や願いがかなう姿を思い浮かべるならば、「喜び・希望・意欲」が高まります。

 まさに神様の創造が「喜びたい」という動機から出発したように、私たち人間が創造性を発揮するためにも「喜び」から出発することが肝要なのです。

 『原理講論』には、以下のように記されています。

 「神が被造世界を創造なさった目的は、人間をはじめ、すべての被造物が、神を中心として四位基台を完成し、三大祝福のみ言を成就して、天国をつくることにより、善の目的が完成されたのを見て、喜び、楽しまれるところにあったのである。
 それゆえに、人間を中心とする被造世界が存在する目的は、神を喜ばせることであった」(6465ページ)

 「被造物がいかにすれば、神に一番喜ばれるのであろうか。神は万物世界を創造されたのち、最後に御自分の性相と形状のとおりに、喜怒哀楽の感性をもつ人間を創造され、それを見て楽しもうとされた。そこで、神はアダムとエバを創造なさったのち、生育せよ、繁殖せよ、万物世界を主管せよ(創世記 第128節)と言われたのである。この三大祝福のみ言に従って、人間が神の国、すなわち天国をつくって喜ぶとき、神もそれを御覧になって、一層喜ばれるということはいうまでもない」(同 64ページ)

 堕落論的な考察から相談を進めていくと、「義務感・使命感」を高めることはできます。しかし本来的には、創造原理的な「心情(愛・喜び)・幸福感」を高めることから始めるべきだといえるのです。

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