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ほぼ5分で読める勝共理論 50
LGBT問題
LGBT運動における問題点

編集部編

思想信条の自由とは?
 今回は、思想信条の自由について説明します。

 全米で同性婚が認められるようになった後、ある生花店を経営していた女性が、裁判で訴えられてしまいました。

 どういうことかというと、同性婚の結婚式のためにフラワーアレンジメントを依頼されたのですが、生花店の経営者の女性はその依頼を断ったのです。そしてその女性が訴えられて、結局は約10万円の罰金を支払うよう命じられました。

 実はこの女性は、もともと同性愛者に対して理解の深い人でした。
 お店のお客さんにも同性愛者がたくさんいますし、お店の従業員としても同性愛者を雇用していました。ですから特別に同性愛者に偏見を持っていた人ではなかったのです。

 では、なぜ依頼を断ったのでしょうか。
 その女性にとっては、結婚式のフラワーアレンジメントは単なる仕事ではないと思っていたのです。
 全身全霊で、自分の思いを込めて花を飾りました。ところが彼女は熱心なクリスチャンでもあったので、どうしてもその思いを込めることができませんでした。

 なぜなら、キリスト教では同性婚は禁じられているからです。それで彼女は、どうしてもこの仕事には応じられないと考えました。
 彼女は依頼したお客さんの手を握って、丁寧に理由を述べて断りました。恐らくは心からお祝いしてくれる人に依頼してほしいと思ったのでしょう。

 しかしそのお客さんは彼女を訴えました。そして有罪判決が下されました。確かにこれで、その同性愛者の自尊心は満たされたかもしれません。

「逆差別」
 では、その女性の信教の自由は守られなくてもいいのでしょうか。思いに反してでも無理にやらないといけなかったのでしょうか。

 フラワーアレンジメントはそのお店でなければできないというものでもありません。だったら歓迎してくれるお店でやってもらったらよかったのではないでしょうか。

 似たような話なのですが、アメリカでケーキ屋さんを経営するある夫婦が、やはり同性愛者の結婚式のためにケーキを焼いてほしいという依頼を断りました。その結果、その夫婦は約1600万円の支払を命じられてしまいました。
 この金額には、顧客の精神的損害も含まれているといいます。

 では、このケーキ屋さんには、ケーキを焼くことを断る権利はないのでしょうか。
 このかたの思想・信条の自由は制限されてもいいのでしょうか。

 「LGBTが差別されている」という運動が過激になると、別の思想・信条を持つ人を逆に差別することになりかねません。いわゆる「逆差別」です。
 これがLGBT運動においての、実に重要な問題です。

 もちろん日本とアメリカでは裁判の在り方がだいぶ違うので、同じように考えることはできません。
 しかしこれと似たようなことが、日本でも起こりつつあります。ちょっとでもLGBTや同性愛者に対して否定的な発言をすると、メディアでは徹底的にバッシングされる傾向にあるのです。

 2016年には衆議院議員の杉田水脈氏の論文で、「生産性がない」という表現の一部だけが意図的に切り取られて、メディアなどから集中攻撃を受けたことがありました。

 当時、杉田議員をナチスになぞらえたり、殺害予告を送り付けたりする人もいました。
 論文を掲載した『新潮45』は休刊になってしまいました。本来は、言論に対しては言論で抗議すべきです。

 このように、正義を主張しながら、反対する言論を封じ込めるような動きを「ポリティカルコレクトネス」といいます。
 直訳すると「政治的公平」です。アメリカでは、こうした動きがかなり過激になっていて、それでトランプのような過激な発言をする大統領が逆に支持されるようになったのです。

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