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シリーズ・「宗教」を読み解く 336
イグナチオ・デ・ロヨラの霊性④
ロヨラとルター、そして16世紀の世界

ナビゲーター:石丸 志信

 イグナチオ・デ・ロヨラは、勇猛な騎士としてパンプローナの戦いに臨み、無残にも砲弾に倒れた。
 ロヨラは死の境を超えて、キリストの御旗の下に集う霊的騎士に生まれ変わろうとしていた。

 16世紀に入ったヨーロッパ世界は大いなる変革の時代を迎えていた。
 カトリック教会のいくつかの問題を議論すべきと声を上げたマルティン・ルターは、カトリック教会から破門された。

 1521年の春、ルターはヴォルムス帝国議会の召喚を受け自説の撤回を求められたが、これを拒絶。その直後に、彼は何者かに拉致され、突然消息を絶ってしまった。
 実は、フリードリッヒ候の命により、東ドイツの平原にそそり立つヴァルトブルク城にかくまわれたのだった。

 ひげをたくわえ「騎士ゲオルク」と名乗って身分を隠した彼は、この城塞の一室で思索と著述に専念した。
 時に襲いかかる悪霊と戦いながら、新約聖書のドイツ語訳を完成させた。

 神のみ言である聖書を、教会の聖職者に限らず、広く国民が自国の言葉で読めるようにと、翻訳作業に全精力を傾けた。
 そうした努力が、やがてプロテスタント運動の大きなうねりを引き起こすことになる。

 一方、ヨーロッパの南に目をやると、世の中は、ポルトガルとスペインが、安全な航海路を発見して海洋の覇権を握ろうと、互いに競っていた。

 航海者マゼランは、スペインのセビリアを出帆して、西回りで世界一周の大航海を敢行する。
 南アメリカ大陸を回り、太平洋を渡ってフィリピン諸島に到達したのが15213月。この時、マゼランはセブ王以下島民をキリスト教に改宗させる。

 しかし他の部族の反感を買い、マクタン島の戦いでマゼランは戦死してしまう。
 指揮官を失った艦隊だったが、満身創痍(そうい)の中、ようやくスペインに帰還したのが翌1522年の9月、なんとか世界一周の偉業だけは達成したのだった。

▲マゼラン(ウィキペディアより)

 この時代、キリスト教信仰とそれに基づく人生観は、ヨーロッパを越えて、大きく世界に版図を広げようとしていた。

 北のプロテスタント改革の動きは、イギリス、オランダを背景として北米大陸に向かい、南のカトリック内の刷新と改革の動きはスペイン、ポルトガルの勢力を背景にして中南米、インド、アジアへと乗り出していこうとしていた。



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