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ダーウィニズムを超えて 79

 アプリで読む光言社書籍シリーズとして「ダーウィニズムを超えて」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
 生物学にとどまらず、社会問題、政治問題などさまざまな分野に大きな影響を与えてきた進化論。現代の自然科学も、神の創造や目的論を排除することによって混迷を深めています。
 そんな科学時代に新しい神観を提示し、科学の統一を目指します。

統一思想研究院 小山田秀生・監修/大谷明史・著

(光言社・刊『ダーウィニズムを超えて科学の統一をめざして』〈2018520日初版発行〉より)

第七章 混迷する神なき現代物理学

八)物理学の行くべき道

3)デザインの復権
 目的論が復活するならば、自然界の中にデザインを認めるようになるであろう。アメリカで台頭しているID理論(インテリジェント・デザイン理論)は、生物においてデザインを認めるべきであるという、生物界における新たな胎動であるが、デザインの復権に大きく寄与する運動である。さらに生物界のみならず、素粒子においても、宇宙においてもデザインを認めるべきである。

 確信的な無神論者であるサスキンドは「ランドスケープとメガバースの区別について」、次のように述べている。「ランドスケープは現実の場所ではない。それは架空の宇宙のありうる設計図をすべて集めた一覧と考えてほしい。ランドスケープにある一つひとつの谷はそのような設計の一つを示す。……反対にメガバースは現実に存在する(*48)」。このようなサスキンドの主張は、サスキンドの意に反して、ランドスケープの中の穏やかな一つの谷から現れたわれわれの宇宙においても、設計図すなわちデザインを認めることにほかならない。

 聖書では、神はロゴス(言〈ことば〉)によって、すべてのものを造られたとあるが、ロゴスとは、われわれの口から発せられる話し言葉のようなものではなくて、万物の設計図であり、デザインなのである。

 数理性はロゴスの一側面である。したがって素粒子に見られる特殊な数理性がなぜあるのかという疑問に関しては、素粒子も目的をもって、一定の数理性に従って造られているということから理解できる。すなわち素粒子は創造目的に基づいて、数理性に従うようにデザインされているのである。


*48 レオナルド・サスキンド、林田陽子訳『宇宙のランドスケープ』日経BP社、2006年、509

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 次回は、「数理性について」をお届けします。


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