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心情開拓
心霊を育てる生活原則(176)

 原理を生活化するために、李耀翰(イ・ヨハン)先生(1916~2019)が信仰のイロハを日本人の心情を分析しながら説かれた講話集、「心情開拓~心霊を育てる生活原則」を毎週金曜日配信(予定)でお届けします。
 家庭連合の教会員の皆さまはもちろん、世代を超えて多くのかたに読んでいただきたい書籍です。

李耀翰・著

(光言社・刊『心情開拓~心霊を育てる生活原則』〈200549日第3版発行〉より)

15 苦痛の中での信従

▲李耀翰先生

先生が御夫人を褒められた三点

 先生はある時、初めて御夫人の証(あか)しをなさいましたが、そこでも「妻も自らのはかりでは分からない」と語っておられます。私たちは、自分の本当の復活を得るためには、自分の命を捨てて進むべきであり、この道ほど険しくて狭き道はありません。

 先生は御夫人のことを、三つの点を挙げて褒めておられます。それは、激しい試練の中でも神様を頼み勝利され、霊的にも敏感であり、細やかに感応なされるということ。

 また、二番目にはどんな逆境の中であっても決して先生を恨まず、誠実にすべてのことをなし、全食口(シック)の前で真の母としての務めを全うしてこられたということ。

 三番目は、何か素晴らしい物を買っていってあげれば、必ずだれかに与えることをまず考えられるお方だということです。また、驚いたことは、御夫人はお金を使うときに少しもけちなことはなさらないことです。私は先生が、お金を使うときの御様子をいつも注意して見ていましたが、大概の家庭では夫が気前よく財布のひもをゆるめれば、主婦は必ずブレーキをかけ、財布のひもを締めるよう文句と愚痴を言うものです。私たちが米国へ行ったとき、共に食事をしたのですが、一つのテーブルに30ドル近い料理を取りました。また、一人が二皿も三皿も平らげますから、一人前の食事代が80ドル、90ドルにもなります。それが20人もの大勢の場合にもなると、莫大な出費になります。それでも御夫人は、先生の横に座っていらっしゃって、「皆さん、もっと欲しいだけ召し上がりなさい」と勧められるのですから、本当におおらかな心をもっておられる方です。

 また、私たちを連れて、街で服を買ってくださる時のこと、先生は、「作業服がいいよ。旅行するときにもアイロン掛けも必要ないし、さっと洗ってそのまま手で延ばしても着られるから便利だろう」と、おっしゃりながら作業服に近いものを選んでくださるつもりでいらっしゃるのに、御夫人は、「講義をする時にも着なければならないから、もっと上等な服を買ってあげましょう」と、私たちの肩をもたれるのです。こういうことは、先生の御家庭でのみ見られる珍しい現象です。

 また、ある時、先生は御夫人のことを「自分にとって貴重であると思う物は、だれかほかの人に与えたいという妻の性格を神に感謝します」と大変褒められたこともあります。

 御夫人はまた、今年から人をよく見抜くようになられたそうです。いつも御夫人の意見が正しいので、先生は何事も御夫人に相談なされるそうです。御夫人は霊的にいつも正確に見抜いて、先生の心をよく理解して適確に仕事を選ぶために気を遣われるとのことです。先生がどんなお気持ちで、今何を考え、いかに事を運ぶ計画でいるのか話さなくても、以心伝心ですべてが心情一致するそうです。私はここで、夫婦はこのように一体化しなければならないという教訓を得ることができました。夫も一体となって協力する夫婦こそ、完成基準に到達した夫婦といえるのです。

 しかし、御夫人も神の愛、先生の愛、人類の愛を受ける心構えとして、御自身の基台を整備造成しなければならないのです。ということは、神の苦痛が私の苦痛と相通じていやされるとき、初めて基礎ができるということです。

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 次回は、「愛の土台は自分で築き上げる」をお届けします。


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