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世界はどこに向かうのか
~情報分析者の視点~

文在寅前大統領側近が「南北統一をやめよう」と発言

渡邊 芳雄(国際平和研究所所長)

 今回は、916日から22日までを振り返ります。

 この間、以下のような出来事がありました。

 イラン大統領、米国と直接交渉の可能性を示唆(916日)。ヒズボラの通信機器が相次ぎ爆発、9人死亡(17日)。米軍機が台湾海峡飛行、中国軍が追跡(17日)。北朝鮮、新型弾道・巡航ミサイル試射、金正恩(キム・ジョンウン)総書記が指揮(18日)。任鍾晳(イム・ジョンソク)前大統領秘書室長が「南北統一をやめよう」と発言(19日)。中国南部の深圳、日本人学校に通う男子児童が男に刃物で刺され死亡(19日)。イスラエル軍がレバノン首都を空爆、ヒズボラ司令官ら殺害と発表(20日)。トランプ前大統領、今年の大統領選挙で敗れても、2028年出馬はなしと発言(22日)、などです。

 「南北統一をやめよう」との衝撃的発言は919日、文在寅(ムン・ジェイン)前大統領と金正恩総書記が平壌で首脳会談を行って6年となった日にちなんだ光州での記念行事でなされました。

 発言したのは文前政権の大統領秘書室長を務めた任鍾晳氏です。
 任氏は学生運動の元指導者として最もよく知られている人物。南北統一をライフワークとしてきたといっても過言ではありません。
 2018年の文在寅前大統領と金正恩総書記による南北首脳会談においては、準備委員長を務めています。

 記念行事での演説で任氏は、「客観的な現実を受け入れ、二つの国家を受け入れよう」と演説し、「しっかりと平和を構築し、その後の朝鮮半島の未来は後世に任せよう」と訴えたのです。

 この行事では文在寅前大統領も演説し、「従来の統一議論の全面的な再検討が必要だ」と語ったのです。

 背景となっているのは北朝鮮の変化です。金正恩総書記は昨年末、南北は「敵対的な2国間関係だ」と宣言して「統一」を放棄する発言を行いました。その結果、統一を理想に掲げた韓国左派も方針転換を余儀なくされたということなのです。追随ともいえるでしょう。

 もちろん尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権はこれらの発言には強く反発。自由民主主義に基づく統一を目指すとしており、金正恩氏の反統一宣言に呼応したと任氏、文氏を強く批判しています。

 今、韓国内で北朝鮮が追加の核実験に踏み切ることへの警戒感が高まっています。趙兌烈(チョ・テヨル)外相は910日、米国大統領選前に北朝鮮が核実験をする可能性について「多くの専門家があると言っている」と述べました。

 関連して、韓国統一研究院の洪珉(ホン・ミン)先任研究員は、北朝鮮の最近の動きは米大統領選を念頭においていると分析し、「トランプ前大統領が『バイデン政権の失敗だ』と訴える材料になる」と指摘しています。

 北朝鮮メディアは13日、金氏が「核兵器研究所」や「兵器級核物質生産基地」を視察したと伝え、多数の遠心分離機が並ぶウラン濃縮施設を公開しました。

 2010年に、北西部・寧辺(ヨンビョン)の濃縮施設を米核物理学者に公開したことはありますが、金氏による濃縮施設の視察を公表するのは初めてのことなのです。

 視察した場所は明らかにしていません。平壌近郊の降仙(カンソン)など、寧辺以外で北朝鮮が秘密裏に運営してきた施設の可能性があると米国は以前から指摘してきました。

 北朝鮮の「核実験」再開は、世界に大きな衝撃を与えることになるのです。



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