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ほぼ5分で読める勝共理論 47
LGBT問題
LGBT運動が広まった背景

編集部編

注目された電通のアンケート結果

 LGBTの運動が広まってきた背景には、日本にはかなりの数のLGBTの人たちがいるのではないか、という認識があります。

 「その割合は7.6%だ、これは13人に1人の割合だ。左利きの人数と同じぐらいだ、1クラスに23人はいるんだ」というものです。

 この数字の元になっているのは、2015年に電通という会社が発表したデータです。
 そしてさらに電通は、2018年にも同じような調査をして、今度は「8.9%もいるんだ」と発表しました。これはかなり多いですね。

 ただこの数字は、実はかなり怪しい数字です。
 どういうことかというと、まずは電通というのは広告代理店です。つまり、「LGBTの人たちはこんなに多いんだ」と言えば、その分、ビジネスチャンスが広がるのです。

 「これまでLGBTの人たちを対象にした広告はありませんでした。でも、そういう広告を作ればかなり売れますよ。うちがその広告を作りますよ」、そんな意味を込めた数字だと考えられるわけです。
 広告を作る会社だけにやはり宣伝がうまいのです。

 そしてこの数字は、電通のウェブサイトを訪れた人を対象にして行ったアンケートの結果です。無作為に抽出した人たちではありません。

 つまりLGBTに全く関心がない人が、わざわざこのサイトに訪れてアンケートに答えるとは考えにくいわけです。そんな人たちにアンケートを取っても、統計学的には何の意味もありません。そんな数字がまことしやかに日本中に広がっている、そんな状況なのです。

 では、どれぐらいが本当の数字なのかというと、名古屋市が行った調査の結果が参考になります。
 統計学的にもかなり信頼できるデータです。

 こちらを見ると、自分が性的少数者であると答えたのはわずか1.6%でした。
 電通の調査結果の7.6%に比べるとかなり少なくなっています。さらにその中でも、断トツに多かったのがバイセクシャルでした。

 例えば、普通に結婚している女の人でも、「たまにかっこいい女の子を見ると魅力を感じることもあるんだよね」といった人も入るわけです。
 そういう人が性的少数者だ、差別されているんだ、保護しないといけないんだというと、そういう話でもないのです。

 実はこの1.6%の中で、本当に制度を作って保護されないといけない人はほんのわずかです。
 結論から言うとトランスジェンダーの人たちの一部です。名古屋市の調査でいうと、0.26%の中の、さらにその中の一部の人たちです。

 例えば、トイレの問題でいうと、トランスジェンダーのかたの中には男女のどちらのトイレを使うか困るかたも確かにいるでしょう。
 でもこの問題は、同性愛者には全く関係ありません。
 ゲイであれば男子トイレ、レズビアンであれば女子トイレを使えばいいだけです。

 そしてトランスジェンダーの人の中にも、かなり症状が深刻なかたもいれば、「ちょっと自分にはそういう気があるな、僕は男なんだけどたまに女っぽいところもあるんだよな」というような程度のかたもいるでしょう。
 つまりその人の症状の程度によって、対応すべき内容はかなり違うということです。

 そうすると、例えば、「うちの市は人口が10万人だから、LGBTの人数は13人に1人で8千人ぐらいいるはずだ。その人たちのために市内のトイレを全部改修するんだ、1億円ぐらいかけてやるんだ」、なんていうことを決めても、実際にそのことを必要とする人は、ひょっとしたら市内に10人もいないのかもしれません。

 つまり電通の調査は、LGBTの割合は7.6%とか8.9%とか言っていますが、その数字そのものに信ぴょう性がありません。
 さらに言えば、LGBT問題とひとくくりにいっても、それぞれによって状況はさまざまです。支援すべきなのか支援しなくてもいいのか、また、どんな支援をすべきなのかといった内容もそれぞれ違うということなのです。

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