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世界はどこに向かうのか
~情報分析者の視点~

自民党総裁選、新総裁に求められる要件とは?

渡邊 芳雄(国際平和研究所所長)

 今回は、92日から9日までを振り返ります。

 この間、以下のような出来事がありました。

 米ニューヨーク州知事の元側近を逮捕・起訴、中国の「代理人」としての活動を疑う(93日)。北朝鮮が韓国へ「ごみ風船」25日ぶり(4日)。ベラルーシで日本人拘束か、国営テレビが報道(4日)。プーチン大統領演説、「和平交渉の用意ある」(5日)。ハリス氏とトランプ氏の支持率ほぼ拮抗(きっこう)、ニューヨーク・タイムズ全米世論調査(8日)。高市早苗氏、自民党総裁選立候補を表明(9日)、などです。

 99日現在、自民党総裁選に立候補を表明したのは、順に小林鷹之(表明8月19日)、石破茂(24日)、河野太郎(26日)、林芳正(93日)、茂木敏充(4日)、小泉進次郎(6日)、高市早苗(9日)各氏です。加藤勝信氏も予定しています(10日に表明)。ほぼ出そろいました。

 今回の総裁選は、これまでとは違い麻生派を除く派閥が解消を決めた中で行われます。どのような展開になるのか注目されるとともに、予測することが難しい状況です。

 現時点では小泉進次郎元環境相がリードしているといわれていますが、総裁選に突入してからの過程で何が起こるか分かりません。

 実は12年前の安倍晋三氏が戦った総裁選も、ある意味「脱派閥型」でした。
 安倍氏が所属していた町村派(清和会)からは、会長の町村信孝・元官房長官が立候補しており、安倍氏を推す基盤は、主に超党派の勉強会「創生日本」だったのです。「創生日本」は現在も維持されています。

 結果として安倍晋三氏が決選投票で勝利し、返り咲くことになった12年前の総裁選を振り返れば、当初安倍氏は5人の候補のうち、よくて3番手で下手すると4番手になるとみられていたのです。

 当時の声として「安倍さんはせめて2位にならないと政治生命が終わってしまうが、見るところ4位だってあり得る」という、悲観的なものもありました。

 安倍氏の出馬時点で、安倍氏が必ず勝てると確信していた者は、あまりいなかったのではないでしょうか。ところが事態は大きく動くこととなりました。

 この時の総裁選は、石破茂氏と、古賀誠元幹事長らに推された石原伸晃氏(当時は幹事長)の事実上の一騎打ちになるとみられました。

 ところが、当時の自民党総裁は谷垣禎一氏でした。石原氏を幹事長に使命したのは谷垣氏でした。その総裁を差し置いて出馬し、結果として谷垣氏を不出馬に追い込むことになりました。

 この事態を前提に麻生太郎氏は、石原氏を「平成の明智光秀」と批判したのです。この一言が党内に衝撃となって走りました。

 後に石原氏の父、石原慎太郎元東京都知事が「あれで息子は政治生命を失った」と慨嘆したほどです。

 また、町村氏は急病を患い戦線離脱。安倍氏の前に道が開かれ、第一回投票で2位になり、後の決選投票を制したのです。
 決選投票での逆転勝利は実に56年ぶりの出来事でした。

 この時安倍氏が再起を期すために掲げた「旗」は、保守と新しい経済政策だったといえます。
 もし安倍氏が、保守色を強めるのではなくリベラル的政策を掲げていたら、後の総選挙で政権奪還自体できていたかどうか分かりません。

 現政権の支持率低迷は、LGBT理解増進法制定などに見られるように、野党による批判を聴き過ぎる「弱さ」にあります。

 新しい総裁に求められる要件は明確な経済政策と保守の理念です。12年前と同じともいえるでしょう。



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