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ほぼ5分で読める勝共理論 45
中国問題⑨
習近平政権

編集部編

習近平はラストエンペラー?
 今回は、習近平政権について説明します。

 現在の中国の国家主席は、習近平という人物です。
 習近平氏が国家主席になったのは2012年です。国家主席の任期は5年間で、2期連続まで許されるのですが、なんと習近平氏は、憲法を改正していつまでも続けられるようにしてしまいました。

 このことをもって、「習近平はエンペラーになった」と国際社会ではいわれました。
 エンペラーというのは「皇帝」のことです。ちなみに中国の清朝の最後の皇帝をラストエンペラーといって、映画にもなりました。

 習近平は自分がエンペラーになった。それ故にアメリカに目を付けられた。それで中国の終わりが早まった。習近平は自らラストエンペラーになった。そんな皮肉な話もあります。

 前回、中国の最高権力者は7人いるんだ、という話をしました。この7人のことを「チャイナセブン」といいます。実はこの7人の体制は、毛沢東が死んだ後につくられました。

 毛沢東は、大躍進政策、文化大革命で大変な失敗をしました。
 一人の人間に権力が集中すると失敗する。中国ではこれを痛い教訓として、権力を分散することにしました。

 こうしてできたのが「チャイナセブン」です。ですから中国では、最高権力者といっても完全な独裁者ではありませんでした。

 ところが習近平は、この分散されていた権力を次々と自分の元に集めました。
 軍隊、警察、経済、そしてメディアに対する言論統制、あらゆる分野の力を自分の下に集めました。いわゆる強権体制です。

習近平は中国の神々の一人になった?
 中国には、これまで神聖化されていた人物が二人いました。一人は毛沢東、もう一人は鄧小平です。

 毛沢東は、中国を建国して初代の国家主席になった人です。「建国の父」と呼ばれています。
 その後の内政では大失敗をしましたが、それでも共産主義国家を建設したということは、大変な偉業になっています。

 鄧小平は、中国の近代化を成功させた人物です。
 毛沢東時代の中国は、非常に貧しい国でした。ところが鄧小平が改革開放に取り組んでから、中国の経済は急激に発展し、40年間で200倍もの経済規模になりました。今やアメリカに続く世界第2位の経済大国です。

 この二人の考えは、中国の憲法に偉大なものとして、「毛沢東思想」「鄧小平理論」と明記されています。 

 そして習近平は、憲法を改正して自分の思想も憲法に明記させました。その名も「習近平思想」です。

 ですからこの三人の偉業は、中国の義務教育でこれからずーっと教え続けられることになります。習近平は、中国で神々の一人になったということです。

 ただ、習近平には毛沢東や鄧小平のような華々しい実績はありません。
 言ってみれば、強権を発動し、国内を強制的に抑え込み、国際社会に対して無謀な振舞いをしているだけです。

 ですから習近平は、二人に匹敵する実績をこれからつくらないといけません。
 では、その実績が何かというと、中国の悲願である台湾の統一と考えられています。
 中国の憲法にも、「台湾は中国の一部であって、祖国統一の偉業は中国人民の神聖な責務である」とはっきりと書かれています。

 そして台湾を統一するために、どうしても邪魔になるのが沖縄の在日米軍です。ですから習近平政権にとって、米軍撤退は至上命題です。そのために、沖縄でたくさんの工作が行われているといいます。
 沖縄の基地問題の背後には、中国の影響力があるのだと、筆者は考えています。

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