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シリーズ・「宗教」を読み解く 331
修道院の祈り㉙
宗教改革期に誕生したイエズス会

ナビゲーター:石丸 志信

 マルティン・ルターに始まる宗教改革のうねりがヨーロッパの北に広がり、プロテスタント諸国が生まれてくる中、南のカトリック圏においても新しい修道会が登場し、キリスト教会刷新の推進役となっていく。

 それが、イグナチオ・デ・ロヨラ(14911556)とその同志らによって創設されたイエズス会である。

▲イグナチオ・デ・ロヨラ(ウィキペディアより)

 イエズス会は、15409月にローマ教皇パウロ3世の認可を得て正式に発足した。
 わずか10人で出発したこの会は、翌年4月にイグナチオを初代総長に選出し、ようやく修道会としての形態を整えた。
 それ以降15年間、イグナチオは草創期のイエズス会をけん引し、堅固な土台をつくった。

 この会の原点は、イグナチオの若き日の回心体験にあるといえる。
 戦場で負った深い傷を癒やしていたイグナチオに内的変革が起こった。それまでの騎士としての生活を捨て、聖人に倣い、生涯をキリストに従おうという心が起こり、一介の巡礼者となって修道的探究を始めた。

 多くの試練を経た後、彼はパリの聖バルバラ学院に入学し神学を学び始めた。
 7年後、すでに43歳になっていたが、そこで、同室のピエール・ファーブルとフランシスコ・ザビエルという若き同志を得た。

 さらに彼の感化を受けた同級生4人が加わった。
 1534年815日、聖母被昇天の祝日に、彼ら7人はパリのモンマルトルの丘の傍らにある聖デニス聖堂(サン=ドニ大聖堂)に集まり、「清貧と貞潔とエルサレム巡礼」を誓った。
 これがイエズス会の内的な誕生だった。

 当初、彼らは聖地エルサレムで献身的な働きをしたいと考えていたが、中東情勢はそれを許さなかった。
 そこで、彼らはこの会の目的を広げ、教皇に対する絶対的な従順を誓い、教皇の命ずる所にはどこにでも宣教に出かけ、その地の人々の教育に尽くすものとした。
 1550年に公布した「会憲」にもその旨をうたっている。

 修道伝統を相続し、神学的にも訓練されたこのエリート集団は、その働き場所をヨーロッパの域を超えて全世界に求めていった。

 宗教改革期に入り、彼らによって本格的な世界宣教の端緒が開かれた。
 それは、イグナチオとその同志らは、世界宣教と教化こそがイエス・キリストが自らに命じるミッションだと受け止めたからだった。



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