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ほぼ5分で読める勝共理論 43
中国問題⑦
中国の軍事的脅威

編集部編

「中国軍」は中国共産党のための軍隊?
 今回も、中国の軍事的脅威についてお伝えします。

 前回は、中国軍の近代化計画という長期的な狙いについてお話ししました。
 今回は、それ以外の重要な点をいくつか解説しておきたいと思います。

 まず、中国軍の正式名称は「人民解放軍」といいます。
 どういうことかというと、中国という国の軍隊ではないということです。

 では、何のための軍隊かというと、中国共産党のための軍隊です。
 ですから中国共産党のためなら、中国の国民に銃を向けることもあります。
 これは他の国ではあり得ません。国家国民のための軍隊ではなく、中国共産党のための組織なのです。

 次に中国軍は、「三戦」を軍の方針として正式に採用しています。
 三戦というのは、「孫子の兵法」に出てくる言葉で、世論戦、心理戦、法律戦のことです。

 戦争をするときは、できるだけ被害を出さずに勝つ。そして確実に勝つ。そのために、敵を欺き、だまし、裏切らせ、偽の情報で動揺させる。あらゆる手段を駆使して優位に立つ戦法のことです。

 この方針に基づいて中国軍はさまざまな工作を展開しています。

 サイバー攻撃もそうです。スパイ工作もそうです。日本の基地反対運動にも関わっているでしょう。沖縄の独立運動も支援しています。もちろん日米同盟の弱体化にも取り組んでいます。自衛隊の基地周辺の土地を買ったりもします。

 政治、経済、文化、法律などのさまざまな工作を、軍の司令として取り組んでいるということです。

「中国の夢」とは?
 次に予算です。
 中国の国防費は1989年以降、毎年ほぼ10%以上伸び続けています。

 1988年度から計算すると、29年間で約49倍になりました。2007年度以降の10年間で約3倍です。今や日本の防衛費の約3倍です。

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 さらに中国では、国防費にカウントされない予算があります。
 ミサイル兵器の開発は国防費では計算されません。研究開発費です。

 こういう例がたくさんあるので、中国の実際の国防費は公表の2倍程度ではないかといわれています。そうなると、日本の防衛費の約6倍です。その規模がどんどん拡大しています。

 中国軍はこれまで、実際に何度も戦争を起こしてきました。
 例えば、中国にはチベット自治区という広大な地域がありますが、ここは元々中国とは違う独立した国家でした。1950年に中国軍が侵攻して併合してしまったのです。

 ウイグル自治区もそうです。元々は東トルキスタン共和国というトルコ人の国があったのですが、ここも中国軍が侵攻して併合してしまいました。
 いずれも、現在も大変な弾圧が続いています。

 そしてこの中国軍のトップが習近平国家主席です。
 習近平国家主席は、「中国の夢」とか「中華民族の偉大な復興」というスローガンを作りました。

 この意味は、中国が清王朝時代の広大な領土を回復しよう、というものです。もちろんこの中には朝鮮半島も日本も入っています。

 かつて中国は世界最大の帝国だった。それがアヘン戦争以降、西欧列強がやって来て中国を植民地化してしまった。そして西欧中心の国際秩序が作られた。

 結局今の国際社会のルールは西欧に都合のいいように作られている。ルールは力ある者によって作られる。

 これからは中国が力をつけないといけない。そして中国中心のルールを作る。そうして奪われた領土を取り戻さないといけない。
 スローガンはだいたいそんな意味です。

 中国軍は、決して平和のための組織ではありません。
 日本はこの脅威をはっきりと理解しておかないと、大変なことになるということです。

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