https://www.youtube.com/embed/hprSbdHquaY?si=J6rmkR0MPeIm42f

世界はどこに向かうのか
~情報分析者の視点~

ウクライナ軍がロシア西部の越境攻撃を開始

渡邊 芳雄(国際平和研究所所長)

 今回は、85日から11日までを振り返ります。

 この間、以下のような出来事がありました。

 ハマス奇襲関与か、国際連合パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)職員9人解職(85日)。ハマス最高指導者、ハニヤ氏の後任は「強硬派」のシンワル氏(6日)。ウクライナ軍がロシア西部・クルスク州に越境攻撃を開始(6日)。米民主党の副大統領候補にワルツ知事(6日)。ウクライナ軍兵士最大1000人が越境攻撃、プーチン大統領が「大規模な挑発」と批判(7日)。ゼレンスキー氏、「ロシア軍がザポリージャ原発の敷地内に放火」と発言(11日)、などです。

 ロシア国防部は87日までに、ウクライナ軍がロシア西部クルスク州に越境攻撃を開始したと発表しました。

 場所はクルスク州のスジャ地区。ウクライナ経由で欧州に天然ガスを送るパイプラインの拠点施設がある所です。ウクライナ側はこの施設を制圧下に置いたといいます。

 米国の政策研究機関「戦争研究所」は8日、ウクライナ軍が国境から北方へ最大35km進んだとの分析を示しています。

 同日、ゼレンスキー大統領はビデオ演説で、「(ロシアは)自分が何をしたのか身をもって知るべきだ」と語りました。

 戦況が動き出しています。

 ウクライナ軍の部隊は9日も進軍を続けました。越境部隊は数千人規模で、周到な準備に基づくものであったようです。

 G7の軍高官によれば、奇襲前の数週間でウクライナ軍はクルスク州の通信設備を集中的に攻撃し、ロシア軍の偵察能力に大きな打撃を与え、動きが探知されない形の侵攻開始を可能にしたといいます。

 さらに今月には、西側から届いた米国製戦闘機F16の第一陣の運用を開始しており、課題だった防空体制の強化が見え始めたことを背景に、86日未明からはロシア西部クルスク州への越境攻撃を開始したのです。

 この「奇襲作戦」の狙いは明らかです。将来的にロシアとの交渉材料にするため、ロシア領内に占領地域を確保しようとしているのです。
 兵力不足の中での大規模な戦力投入には、11月の米大統領選が念頭にあるといえるでしょう。

 和平協議の即実現を唱えるトランプ前大統領が返り咲いた場合、協議で厳しい条件を押し付けられかねません。
 ウクライナ側が折り合える条件で今冬以降の停戦交渉に臨むには、秋までに大きな戦果を挙げておく必要があるのです。

 プーチン大統領は87日、国防・治安当局の幹部を集めて「大規模な挑発行為だ」と非難し、ウクライナ軍をロシア領の外に追い出すことを命じました。
 ウクライナ軍による奇襲成功の背景には、ロシア側の油断があったことは間違いありません。

 欧米が核大国ロシアとの対立激化につながる大規模越境攻撃を容認しないとの思い込みもあったのでしょう。
 意表を突かれたプーチン政権が対応に追われている状況が伝わってきます。

 当面は、ウクライナ側が奪ったクルスク州の領土をどれだけ保持できるかが焦点になります。
 ロシアのクルスク州スジャにあるパイプラインの中継拠点をロシア側が奪回しようとすれば、被害が欧州に及ぶ可能性も否定できません。
 今後の展開に目が離せません。



★おすすめ関連動画★

国際勝共連合 街頭演説「朝鮮動乱から 74年 新たな動乱に備えよう!」2024年 6月22日 桜木町駅


ザ・インタビュー 第29回

【渡邊芳雄・国際勝共連合常任顧問に聞く(その1)「『勝共』~神を否定する共産主義に打ち勝つために】

U-ONE TVアプリで視聴する


ザ・インタビュー 第30回
【渡邊芳雄・国際勝共連合常任顧問に聞く(その2)「神と共に生きる共同体理想の実現を目指して」】

U-ONE TVアプリで視聴する


ザ・インタビュー 第31回
【渡邊芳雄・国際勝共連合常任顧問に聞く(その3)「神は私と共に生きて今ここにいらっしゃる」】

U-ONE TVアプリで視聴する

---

 U-ONE TVの動画を見るにはU-ONE TVアプリが必要です!
 無料ですので、ぜひダウンロードしてご活用ください。

ダウンロードはコチラから

Android

iOS

ダウンロード方法について

▲画像をタッチすると視聴できます