2024.08.06 17:00
世界はどこに向かうのか
~情報分析者の視点~
米大統領選、カマラ・ハリス氏が民主党候補指名確実に
渡邊 芳雄(国際平和研究所所長)
今回は、7月29日から8月4日までを振り返ります。
この間、以下のような出来事がありました。
ベネズエラで大統領選に抗議する大規模デモ、衝突も(7月29日)。習主席批判の横断幕、中国・湖南省新化県の歩道橋(30日)。米露が大規模身柄交換、トルコが仲介(8月1日)。米民主党大統領候補にハリス氏が指名確実に(8月2日)。ウクライナ、ロシアの潜水艦ロストフナドヌーを撃沈と発表(3日)、などです。
米国の民主党は8月2日、前日にオンラインで始まった党候補の指名投票で、カマラ・ハリス氏が指名獲得に必要な代議員の過半数を確保したと発表しました。
投票の締め切りは5日でしたが、わずか一日で確定したのです。
民主党は中西部イリノイ州シカゴで、8月19日~22日に党全国大会を開催します。そこで正式に指名することとなり、ハリス氏はその日に受諾演説を行うことになります。
代議員の過半数を得たことを受け、ハリス氏はトランプ氏との闘いについて、「自由や思いやり、法の支配の国に住みたいのか、それとも混乱、恐怖、憎しみの国に住みたいのか」と語りました。
一方トランプ陣営は2日、声明を出しています。
「民主党は共産主義中国のようなプロセスで前候補を退かせ、全く民主的でないやり方でハリス氏が引き継いだ。民主党こそ真の民主主義の脅威だ」と指摘し、予備選で圧勝したバイデン氏に撤退圧力をかけて引きずり下ろした民主党統治構造を問題視しました。
民主党員らの一般投票を経ずにハリス氏を党候補に指名するやり方は、「共産中国をほうふつさせるプロセスだ」というわけです。まさに「民主党こそが真の民主主義への脅威」だというのです。
トランプ氏は、ハリス氏を「米国史上、最もリベラルな政治家だ」と呼び、「急進左派」と位置付けました。
そしてハリス氏が不法入国者に寛大という姿勢を印象付けようとする映像を流し、「彼女が大統領になれば、国が破壊される」と警告しています。
ハリス氏は59歳、トランプ氏は78歳です。
ハリス氏は盛んに、闘いは「未来」対「過去」、「新世代」対「旧世代」という形であることをアピールしています。
過去、若さを生かしたケネディ氏やクリントン氏、オバマ氏の例を挙げて浸透を図っています。
米国に起きている目立った変化の一部を紹介します。
米国のIT業界はこれまで民主党支持者が多いとみられていました。
移民を積極的に受け入れて成長してきた米国の歴史がある故に、南アフリカ出身のイーロン・マスク氏などは移民や多様性に寛容な民主党と相性が良かったのです。
しかしバイデン政権は、独占禁止法違反でグーグルやアマゾン・ドット・コムなどを提訴し、投資家保護として暗号資産交換業者も提訴するなどしてきました。
マスク氏は7月13日の銃撃事件以後、トランプ支持を表明。毎月、トランプ氏の支援団体に4500万ドル(約70億円)を献金すると報じられています。
また、今回の大統領選での暗号資産業界からの献金額は1億2000万ドル(約175億円)となっています。
2020年、前回大統領選では200万ドルに過ぎなかったのです。
米国の世論調査会社リアル・クリア・ポリティクスは、7月22日~31日の全米調査の平均として、トランプ氏支持が47.7%、ハリス氏46.5%と報じました。
まさに拮抗(きっこう)状態です。
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