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シリーズ・「宗教」を読み解く 327
修道院の祈り㉕
「個人的で主観的な信心生活の時代」が始まる

ナビゲーター:石丸 志信

 修道院で培われた中世キリスト教文化は、新たなインスピレーションによって啓発された知性と感性の両面を通じて、学問、芸術となり、社会制度にも広がった。

 教育システムによりさらなる発展を遂げていくこの時代、専門的な訓練を受けた聖職者たちが、説教をもって、あるいは文章をもって、一般信徒の生活規範を正し、人々の宗教的水準を高めていった。

 托鉢(たくはつ)修道会は一般信徒の教化に努めた。
 アッシジのフランシスコは、一般信徒が世俗にあって会の精神にのっとって生活する第三会を設立した。
 ドミニコ会も同様の信徒の信心会を発足させた。

 両者が共に発展し、信徒たちが清貧と愛徳の精神で敬虔(けいけん)な信仰生活を営むようになった。そのため、多くの慈善団体が増加したのもこの時期だといわれる。

 こうした動きに触発され、他にも一般信徒の共同体が多数現れてくる。
 代表的なものに、ベギン(女性ギン派)、ガルド(男性ギン派)と呼ばれる集団がある。

 彼らは正式な修道女や修道士ではないが、教会や礼拝堂を中心に少数のグループで生活し、織物や縫製などの労働に従事しながら、病人の介護、子供たちの教育や保育などの慈善事業に専念し、清貧および福音的生活を尊び、深い霊性を育んでいった。

 この動きは、オランダから、ライン川流域およびフランドル地方の諸都市に定着していく。

 托鉢修道会のもたらした清貧の徹底と福音順守の精神に立った生活は、一方では理性的理論的にも高度な神学を生み出していき、一方では、聖書の内的理解の探究を促進し、信仰の内面化の道が開かれた。

 歴史家は「個人的で主観的な信心生活の時代が始まった」と評している。
 しかし直ちに宗教改革が始まったのではなく、極端な運動、異端に処せられる運動も少なくなかった。



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