2024.07.09 17:00
世界はどこに向かうのか
~情報分析者の視点~
東京都知事選、小池氏の圧勝で蓮舫・共産都政を回避
渡邊 芳雄(国際平和研究所所長)
今回は、7月1日から7日までを振り返ります。
この間、以下のような出来事がありました。
米最高裁、トランプ氏の免責一部容認(7月1日)。プーチン大統領と習主席の首脳会談(3日)。ベラルーシ、上海協力機構に正式加盟(4日)。イギリス総選挙で保守党が歴史的惨敗をし14年ぶり政権交代へ、労働党・スターマー内閣発足(5日)。19年ぶりのイラン大統領選で改革派ペゼシュキアン氏が強硬派破る(6日)。フランス総選挙で左派が逆転勝利、極右失速で第3勢力に(7日)。東京都知事選で小池氏が圧勝(7日)、などです。
東京都知事選の投開票が7月7日、行われました。
結果は、小池百合子氏(71)が約291万票を獲得して当選。政権与党である自民・公明が支援しました。
次が石丸伸二氏(41)で約165万票を獲得。前広島県安芸高田市市長だった人です。
小池氏との接戦まで予想された蓮舫氏(54)は約128万票で惨敗です。立民・共産・社民が支援しました。
次に元航空幕僚長の田母神俊雄氏(75)が約26万票で続きました。
今回は過去最多の56人が立候補したことや、候補者ポスターの掲示を巡る議論が起こるなど、「異例」の選挙となりました。
争点は、小池都政2期8年に対する評価です。
小池氏は、平成28年の舛添要一氏の辞職に伴う都知事選に自民党内の了解を得ずに無所属で出馬し、女性初の首都のトップになりました。
小池氏の勝利は「敵失」を誘ったところにあります。
当初、5月29日に始まる都議会定例会冒頭で立候補を表明する予定でしたが、直前に出馬表明した蓮舫氏に世間の関心が集中しました。
小池氏は、その熱気を冷ますために出馬表明を都議会最終日の6月12日まで遅らせたのです。
選挙戦も巧妙でした。
「公務優先」を理由に街頭活動は極力セーブする一方、保育所など現場視察を20カ所近く行い、同行するメディアを通じて2期8年の実績をアピールしたのです。
計11回の街頭演説を行っていますが、応援弁士は政党色が薄い都内の首長のみで、自公議員に一度もマイクを握らせませんでした。
蓮舫氏は、立候補表明直後、勢いがありました。
「反自民政治、非小池都政」「小池都政をリセット」すると訴えたのです。
目立ったのは共産党の全面支援です。共産党のはしゃぎぶりも異常に映りました。蓮舫氏は、立民を離脱し「オール東京」を掲げたのです。
やがて、「反」や「非」は分断を連想させることから訴えを弱め、また「リセット」という言葉は、「良い政策は発展させる」という表現に変わっていきました。
与野党対決を強調しましたが、不発に終わりました。
立民は選挙結果に衝撃を受けています。
4月の衆院3補選で全勝し、5月の静岡県知事選で推薦候補が当選。連勝の上げ潮ムードに一気に水を差した格好になりました。
立民党本部は、一つの目安を持っていました。
令和4年の参院選東京選挙区(改選数6)では、蓮舫氏ら立民候補二人と共産、社民両党の候補各一人が、計約178万7000票を獲得しました。
この票数を都知事選での蓮舫氏の得票が上回るのか下回るのかが焦点でした。結果は大きく減らしました。
立民にとっては、共産党との「共闘」の是非を巡り、支援組織である連合と国民民主との間に大きな禍根を残した戦いになりました。
今回の都知事選では、国民民主と連合東京は小池氏を支持したのです。
立民の大串博志選対委員長は7日、今後の共産との共闘の在り方については、「結果をよく分析し、検証した上で臨んでいきたい」と述べています。
共産の衝撃も計り知れません。
小池晃書記局長は7日夜、「共闘がマイナスに働いたことは一切ない」と持論を展開することが精いっぱいでした。
「共産党の支援を受けたら損だ」という状況が定着しつつあるのです。
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