2024.07.02 17:00
世界はどこに向かうのか
~情報分析者の視点~
トランプ・バイデン討論会、バイデン辞退要請の声も
渡邊 芳雄(国際平和研究所所長)
今回は、6月24日から30日までを振り返ります。
この間、以下のような出来事がありました。
EU(欧州連合)合意、ロシア凍結資産の利益をウクライナ支援に(6月24日)。韓国大統領演説、露朝条約は「時代錯誤」(25日)。朝鮮戦争勃発から74年、北朝鮮・平壌で10万人超の反米集会(25日)。中国共産党、前国防相らの党籍剥奪(27日)。米大統領選に向けてバイデン、トランプ氏の討論会開催(27日)。中国、台湾の渡航危険度引上げに反発(28日)。イスラエル首相、ハマス壊滅を再表明(30日)。香港の国家安全維持法施行から4年、逮捕者約300人に(30日)、などです。
米国大統領選に向けた第1回テレビ討論会が、主催するCNNの本社があるジョージア州アトランタで行われました。現地時間の6月27日のことです。
討論は経済、メディケア(高齢者向け公的医療保険)、インフレ問題、人工妊娠中絶問題、移民問題、ウクライナ戦争など広範囲に及びましたが、その中でバイデン氏の不明瞭な発言が目立ちました。
例えば、開始から10分ほどのところでバイデン氏は、「われわれはついにメディケアを破壊する」と発言しました。メディケアの制度を拡充したと誇示する時に言葉を詰まらせ、その後に出た言葉です。
すかさずトランプ氏は「彼は正しい。メディケアを破壊しようとしている」と責め立てました。
そして不法移民を念頭に、米国に「数百万、数千万の人が入ってきて社会保障を壊すだろう」との主張を繰り返しました。
バイデン氏は序盤から、終始、声がかすれて精彩を欠きました。高齢による衰えが顕著に出てしまったのです。
CNNの調査によれば、討論会でトランプ氏が勝利したとの回答が67%、バイデン氏は33%でした。バイデン氏の敗北です。
民主党支持のニューヨーク・タイムズは、28日の社説でバイデン氏の撤退を求める意見を掲載しました。
「米国はトランプ氏へのより強力な対抗馬が必要だ」と述べたのです。
同じく民主党支持のワシントン・ポストも28日、コラム欄でバイデン氏の高齢不安の強まりに言及し、「バイデン氏が2期目に出馬すべきではないことは、1年以上前から明らかだった」と指摘しました。
しかし「バイデン降ろし」のハードルは高いのです。
候補を選ぶための予備選はすでに終わっています。バイデン氏は代議員の大半を獲得して指名が確定しています。
同党の規則では、バイデン氏自身が立候補を断念しない限り、代議員はバイデン氏に投票する義務があります。
民主党は8月19日から22日の党大会の前にオンライン経由でバイデン氏を党候補に正式指名する計画ですが、正式に選ぶ前にバイデン氏が辞退すれば、代議員は別の候補者に投票できることになります。しかしそれはほぼ無理でしょう。
仮にバイデン氏が出馬を見送る決意をしても、民主党内に衆目が一致する候補は見当たらず、候補者乱立で党内が分裂して共和を利する結果になるとの懸念があります。
民主党下院トップのジェフリーズ院内総務は28日、バイデン氏が撤退すべきかとの問いに否定的な考えを示し、西部カリフォルニア州のニューサム知事は、撤退は不要と述べ、クリントン、オバマ元大統領も同意見です。
トランプ氏も、バイデン氏の差し替えはないとの見解を表明しています。
トランプ氏は副大統領候補の確定を急いでおり、現時点ではオハイオ州の上院議員J・D・バンス氏、フロリダ州選出上院議員でキューバ系のマルコ・ルビオ氏らの名前が挙がっています。
副大統領候補の発表が早まるかもしれません。
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